事業再構築補助金 市場予測のポイント3選
こんにちは、予算管理に特化した税理士&コンサルタントのT.Hiroです。
前回までは、事業再構築補助金の補助対象経費/予想採択率/事業計画の見える化/グラフ化/フローチャート化 についてご紹介しました。
今回は、事業計画の策定の上で欠かせない「市場予測」の考え方についてお伝えしたいと思います!
(前回記事もご参照ください!)
1.記載要領として必須の「市場予測」
「市場規模、市場予測といったマーケットの情報をなぜ、補助金申請で必要とされるのか?」
「マーケット全体の改善をするのではなく、いち企業の活動なのにそんなマクロ情報が必要なのか?」
といった疑問をお持ちの方もいるかと思います。
こちらの疑問に一言でお答えすると、
「事業再構築の事業計画が、いかにマーケットニーズと合致しているのか! を証明するため」
という答えが得られるかと思います。
経済産業省の「事業再構築補助金の概要」には、本補助金の申請に含めるべきポイント例として下記4点が挙げられています。
●現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性
●事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
●事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法
●実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む
この中で、「事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法」とは、市場規模を把握して、自社の立ち位置を把握、改善することですよね!
つまり、事業再構築に関連する市場規模を正しく把握することは、補助金の要領として最低限必要とされるものということです!
2.市場予測・市場規模とはそもそもなに?
市場規模とはそもそも何なのでしょうか?
それは、経済活動を展開する市場・マーケットの、
・現状の需要と供給
・未来の需要と供給
・業界が抱える課題と強み
・今後の展望
などを包含している概念といえるのではないのでしょうか?
つまり、「自分たちが活動するマーケットが今後どのように発展していく見通しか?」を、自分の言葉でまとめればよいのです。
具体的にみて見ましょう!例えば、金属加工業の中小企業が、医療機器分野への新規進出を事業再構築の柱として計画しているとしましょう。
その場合、医療機器の市場規模について調査し、10年後やそれ以降を見据えて、中長期的にみても自社の事業戦略と照らして、成長性のある市場であることを確認する必要があるかと思います。
ここで大事なのは、決して希望的観測をするのではなく、事実を積み上げつつまとめていくことが重要です。
成長性を定性的に文章で表現しつつ、これをグラフ化などによって目視で揉みやすい形でまとめます。
下記は参考として、医療機器分野の市場規模をまとめた資料の例となります。
3.市場予測・市場規模で伝えるべきメッセージ
事業計画における市場規模、市場予測などの情報は、事業計画の信ぴょう性を高めるためのエビデンスの要素を含んでいます!
「この事業計画は、こんな根拠があるので、将来的にみても投資する価値がありますよ!」
というメッセージを発するためのツールの一つなのです。
なので、難しいことはあまり考えず、自らの会社が向き合う市場、チャレンジしようとしている市場を冷静に分析し、
今後数十年間でこのように変化していくという情報を発信できさせえすれば、詳細な点までこだわる必要はないと考えています!
伝えるべきメッセージ=目的 となりますので、目的を意識し、事業計画の作成を進めてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は、市場規模をまとめる際のテクニックをご紹介したいと思います!