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デンマークのPædagog(ぺダゴウ)って?

Sue:前回は、幼児教育に必要な2つの視点についてお話ししました。
今日は教育がスタートする、0−3歳あたりから小学校手前までのお話をあれこれ伺いたく。

Chiba:もちろんです。どうぞ、どうぞ。

Pædagog(ペタゴウ)って?

Sue:デンマークって教師もペタゴウも、年齢ごと、発達に合わせて対応方法がありますよね。
例えば、保育園に0-3歳の子どもたちを預ける親にとっては初めての社会に触れることになります。
未知の体験となるわけですが、どのような点に先生方は配慮されているのですか?

Chiba:保育に関して、やはり一番気を付けていることはこの子の身体状況はどうであろうか?という側面が挙げられます。

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Sue:まずは身体的な側面からの配慮が入るわけですね。

Chiba:そうです。それは「満足に活動できない場合は、可能な限り、最大限の満足度に近づけるように支援する」ためのスペシャリストによる布陣を早急に用意するのが大切だからです。

Sue:なるほど。例えばどのようなポイントを見るのでしょうか?

専門家はここを見る

Chiba:まずは、手足の大きな動き、小さな、細かな動きに注目していくことになります。手足の大きな動きは歩行や腕の上下運動などで、小さな動きは指先の動きに注目します。
例えば、はさみを使う、えんぴつを持つ、スプーンの使い方などを細かく観察することです。これらは全て日常の遊びや生活の中で行います。

Sue:日本の保育現場でも同様な取り組みをされています。先ほどおっしゃったスペシャリスト、というところが気になりますが。

Chiba:そうですね、日本でも療育という言葉があると思いますが、デンマークでも、身体の発達で、同様に重視しなければならないのは言葉の発達です。「ん?言葉が出るのがゆっくりかもしれないな?」と思われたら、専門職の言語療法士に観察してもらいます。
すべては、個々人の成長が異なっても、一人ひとりの子どもたちが過ごしやすく生活するための最善策を大人がチームを組み設計するためにあります。
保育時の諸々の発達においてみられる遅れを早期に発見することが大切です。

Sue:心の部分について、気持ち(感情)、表現などについてもやはり専門家がスタンバイしているのですか?

Chiba:当然です。心に何かかしらの問題が生じた場合も、連絡し、すぐに行動ができる仕組みができています。身体的な発達にばかりに捕らわれず情緒的な発達にも注目することも、同じように大切ですから。

これは子どもの顔の喜怒哀楽の表情からもうかがわれます。
家庭医、保健師、理学療法士、作業療法士、臨床心理士など専門職が、それぞれの専門の立場から乳幼児の正常な発達を担う保育という生活支援にかかわってくれます。
一般的な日常生活の動きに関してはPædagog(ぺダゴウ)が親代わりとなって日中大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

デンマークの空気、日本の空気

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Sue:ところでデンマークでは働き世代の約8割が共稼ぎということですが、0〜3歳児はみんな保育園に行くのが当たり前なのでしょうか?

Chiba:デンマークは待機児童“0(ゼロ)”を国が保障しています。ですから、保育園にいくのが当たり前の空気がありますね。

家庭に入る、と言う言葉や考えをほぼきかないのも、女性が働き続けることは当たり前の空気があるからです。
「せっかく積んだキャリアを生かさないのはもったいないでしょ」と。

日本でも、すぐ導入可能な制度として、保育ママ・委託保育制度などが考えられます。自分の子育てが終わった人で、家庭内や庭などに4人くらいまでの保育するスペースのある家・人が6週間ほどの研修を受けた後、自治体が認可して保育を委託するものです。

Sue:日本にもそのような制度はありますよ。ここからは日本は人口減少が課題になりますから、柔軟に地域の要件に沿って、あり方を多様にする取り組みは早急に必要ですね!

それをしっかり軌道に乗せるにはやはり、必要としている人も声を上げることが大切だな、と感じています。

Chiba:そうです!自分の困っていること、思っていることを気負うことなく、声を高らかに社会にアピールすることは大切なことです。

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Sue:先ほど「空気」の話になりましたが、以前、デンマークに行った時、あるご家庭の奥さん(某大手海運会社の経理担当)と話していたのですが、日本は3歳くらいまで手元でみるか、仕事に復帰して早めに保育園などに預けるかの2通りが主流です、と話したら、日本がうらましいと言われました。

デンマークでは「0歳程度から預けるのが普通だから、預けないと、「えぇ?」という目でみられるわ。私は小さい子を手元で見たかったけど、、、」とのこと。
日本にも色々な空気がありますが、デンマークにも空気がありそうですね。

Chiba:日本とデンマークもそれぞれ違った空気がありますね。
日本は「え?預けるの?」という空気ですよね。
デンマークは「え?預けないの?」という空気です。
やはり例外はどこにもあって、日本の子育てが羨ましいと思うデンマーク人もいますよ。
デンマークでは保育園・幼稚園の費用は1/3程度の自己負担があります。
無料ではないのですよ。
「子どもは、親元で育てたい」という思いを持つ人もいるのではないでしょうか。

Sue:むしろ、「え?預けるの?」という空気は私の住む東京ではあまり聞こえてきません。「え?預けられる場所がすぐ決まったの?」の方が今はまだ多いかな。それも数年後にはまた状況が変わるのでしょうけれど。

<次回に続く>




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