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フィンランドのコテージで本格サウナ体験

2020年12月にユネスコの無形文化遺産にフィンランド式サウナが登録されました。
フィンランドには550万人の人口に対して約300万個のサウナがあると言われています。かつてはサウナでは出産が行われたり、なくなった人の体を清めたりしていました。フィンランドに来るまではサウナはただ汗を流すところというイメージでしたが、健康のためだけではなく、サウナに入るひとときがフィンランド人にとってとても大切なのだと今回の体験を通じて気付きました。

多くのフィンランド人家庭はコテージを持っています。コテージを立てる時はまず初めにサウナを建てる人が多いほど、サウナは重要だそうです。
そんなコテージのサウナに入ってみたいと思っていたところ、友人夫婦が年末にコテージに誘ってくれました。

■コテージへ
ヘルシンキからバスで北に2時間半。
友達がバス停に迎えにきてくれ、そこからさらに車で30分。
人っ子ひとりいない湖のほとりに赤い色をした可愛いコテージがありました。そこが友人夫婦のコテージです。井戸、ゲストルーム、野外トイレ、薪置き場など何棟にも分かれていて、雪が積もっていなかったヘルシンキから雪が積もる銀世界の中は異世界に感じました。

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■昔ながらのあたたかいコテージ
母屋に入ると絵本の中に入ったように可愛い内装に魅了されました。コテージは友人の旦那さんの家族が代々持っているもので、少しずつ増築したり改修したりしているそうです。電気は来ていますが、水道は流れていないので、井戸で汲んだ水を主に使います。お手洗いはぼっとんトイレ。
年に4,5回はコテージに来て、散歩、料理、読書、サウナに入ったりしてゆっくりとするそうです。年末は友人を呼んでコテージで過ごすことが多いそうです。
夕食はストーブに薪をくべて調理し、食後は暖炉で温まる。サウナに入る前から最高のひと時です。

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■サウナ時間
そして迎えたサウナタイム。友人のコテージには二つサウナがありました。一つはとても古く6時間ほど温めるのに時間がかかるスモークサウナ、もう一つが3時間ほどで温まるストーブサウナ。今回はストーブサウナに入りました。まずはストーブに薪をくべて待つこと3時間。ストーブの上の石が温まり、さらにストーブ横に水を入れることで、体を洗う用の温水もできます。

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食後に友人と入りました。ゆっくりと蝋燭の光に照らされながら、サウナに入ると心身ともにほぐれていきます。友人との距離もさらに縮まった気がします。
凍った湖の一部を友人の旦那さんがチェーンソーで穴を開けてくれていたのでそこへ足をつけてみました。誰もコテージの周りにいないので、スリッパだけ履き、裸になって湖へ! 冷たい!!!! 裸で-5度の外にいるのは平気ですが、湖に入るのはちょっとキツかったです。初回は脚だけでよしとしました。友人は2回全身湖に入って、サウナに入ってを繰り返していました。さすが、フィンランド人!

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サウナの中では湖から組んだ水をストーブの上の石に乗せてロウリュウ(蒸気)を発生させます。友人はあまり暑すぎるのが好きではないので、ゆっくりと加えていきました。
サウナと冷たい外気に当たることを繰り返しで体が「整い」ました。

■入ってみた感想
フィンランド人と仲良くなるには、お酒を一緒に飲むか、サウナに一緒に入るのが一番早いと言われます。その意味がとてもよくわかりました。サウナで一緒に過ごすと心の距離が縮まります。誰もいない暗い雪のふる森の中で裸で、サウナで温まった体をクールダウンする感覚を共有できるのは特別でした。コロナ禍ではあるけれど、フィンランドに来ることを選んでよかった。そして出会って3ヶ月も経っていない中招いてくれた友人夫婦に感謝です。

翌朝は近くの森を散歩。雪が深く積もっていて、人もいないので動物の足跡をたくさん見つけました。神話の中に登場する女性の名前がつけられた湖に行き、ジュニパーベリーを食べたりした優雅な休日でした。
自然と共存して(サステイナブル?)、時間をかけて料理をして、食事をして、おしゃべりをして、とても豊かな時間の過ごし方を知ることができました。コロナ禍で美術館、エンタメ施設が閉まっていたり、イベントがなくても、自然の中で楽しむ方法を知っているだけで、精神的な余裕が生まれる気がしました。これだけが要因ではないですが、フィンランドが幸福度ランキングで上位にいるのがわかる気がしました。

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