【2】ゆん🙃「主体的な幸福を求めて旅立ったフィンランドスタツアー」

初めまして。慶應義塾大学学生団体S.A.L17期の李帝潤（イ・ジェユン）と申します。私は、幼い頃から一見当たり前と思われる私達の生きる社会について、何故そうなのかについて考える趣味がありました。趣味にあやかり、学生時代も一番得意な教科は社会系科目でした。高校生になってからは社会問題をテーマとする討論大会に参加したり、外国人の友達を作って社会問題に関する話しや文通をしたりなどして様々な形で社会問題に触れてきました。慶應義塾大学に入学したからは、現代社会の二極化及び不平等の解消の為に適用可能な理論及び仮説をマルクス主義に基づき解釈し、階級対立と差別が存在しない、より住みやすい社会を作る為の勉強を続けております。

私は、現在の日本が当面した多様な問題を乗り越えるため、今の日本から一歩離れた考え方が必要だと普段から考えていました。そんな中、慶應義塾大学の公認学生団体SALからフィンランドスタディツアーのメンバー募集を見かけました。フィンランドの社会構造は、それ自体が発展したこともありますが、フィンランド人が日本人と類似した国民性を有していることで、その応用性が高いと思います。更に、フィンランドはWell-Beingが日本より注目される環境に置かれており、世界で最も幸福度が高い国である為、フィンランド人にとって幸せとは何であり、どのような側面から幸せを感じているのかについて勉強し、それを用いて、日本社会に貢献することを目指す私に取ってとても魅力的である為、フィンランドへの渡航を決意しました。また、自分はたまたま幼少期をヨーロッパ最大の福祉国家と言われるノルウェーで過ごしたこともあり、ノルウェーとフィンランドの類似点と相違点、そして日韓を含む東アジア諸国との違いに着目し、今回のスタディツアーに臨みたいと思います。

個人的な話になりますが、私は在日韓国人であり、韓国の国籍を持っているため、韓国の空軍に2年間勤めました。 また、韓国には早生まれの概念が無かった為、高校卒業も1年遅れました。 高校卒業後、現役で大学に入学しましたが、春学期にコロナに3回も感染し、学業を継続することが困難な状態であった為、自主退学し、慶應義塾大学に入学しました。 上記の事実は、日本の学生が経験することのないことであり、決して自分のせいではありませんが、私は自分の置かれた状況及び育ってきた環境がとても理不尽で不幸だと考えてきました。 もちろん、大学生活はとても楽しく、様々な価値観を持った人たちと一緒に勉強できることはとても恵まれたことではありますが、23歳になって大学に通うことは決して簡単なことではありませんでした。 同級生との年齢は4歳も離れており、それに伴うジェネレーションギャップや価値観の違いももちろん存在しました。 また、在日韓国人という社会的なスティグマと自分自身で戦っていかなければならなかった苦労も欠かせませんでした。上記の事実から、自分自身を不幸な人間だと思っていた私であるからこそ、フィンランドの幸福及びスローライフについて勉強できることはとても貴重な経験だと思います。

私が今回のフィンランドスタツアで成し遂げたい目標は、「自分自身を主体とする、幸せになる為のフィンランド研究」であります。幸福は、私達が生きていく中で、ある意味では最も「相対的」かつ「当たり前だと感じること」だと思います。 そのようなフィンランドの教育及び考えた方から、その幸福・福祉制度における問題とその解決策を解き明かし、帰国後は、フィンランドの制度及び考え方を日本に適用し、より幸せになれる日本社会を作っていきたいと思っています。その為、フィンランドスタツアに参加します。改めて宜しくお願い致します。