見出し画像

【6】🌼「気づき」

「気づき」の時間

 スタディツアーでは毎晩、1日の終わりに「気づき」の時間があります。この時間は、その日感じたことや学んだことをみんなで共有し合う、大切な時間です。

「気づき」の時間、大好きなんです。自分の考えを整理して言葉にすることで新たな発見があり、さらに他のメンバーの意見を聞くことで新しい視点が得られます。ただ、その反面、気づきが深まれば深まるほど、色々な切り口から話が進んだり規模感が大きくなりすぎたりして、ふと振り返った時「結局何がしたいんだっけ」と迷子になってしまうことがあります。

誰かが撮ってくれてた気づき中の1枚📷

「気づき」で得た「気づき」

 フィンランドに渡航して5日目、すでに「気づき」が大量発生。ツアーの目的を再確認し、今の状況を整理する時間を取りました。
 日本の現状について話し合い、私たちが抱いている感情や考えをシェアする中で、ある重要な気づきを得ることができました。それは「幸せ」を求めすぎていたのかもしれないということです。
これまでは「日本は経済大国であり、清潔で安全、公共交通機関も整っていて、食事もおいしい。そんな素晴らしい国なのに、日本人の幸福度が低いのはなぜだろう?もっと幸せになる方法があるはずだ」と考えていました。そして、環境に見合った幸せを手に入れるためには、何かを新たに付け加える必要があると思い、常にそれを探し求めていました。
 しかし、今回フィンランドでの「気づき」の中で、私たちは考えを少し変えることになりました。フィンランドで過ごす中で、現地の人々が日常の中にある小さな幸せを大切にしていることに気づかされました。彼らは、自分たちの生活を客観的に見つめ、社会制度や福祉制度の恩恵を認識し、それを支えにして日々を過ごしています。
 そんな彼らから得たこと、それは「幸せ」を外部から追加するのではなく、すでにある幸せを感じにくくしている原因、つまり日常に存在するストレスや不安、過度なプレッシャーといった「マイナス要素」に目を向け、それらを取り除くことが大切ではないかということです。
言い換えれば、私たちは「プラスの要素を増やす」ことに注力するのではなく、「マイナスの要素を減らす」ことに力を入れるべきだと考えるようになりました。そうすることで、相対的に「幸せ」を感じやすくし、今ある日常の中で幸福に感じられるようになるのではないかという考えに至ったのです。


今後のフィンランド滞在の目的

 「気づき」を経てスタディツアーの方向性が少し変わった今、これからのツアーで何を学び、どのような成果を得たいのか、改めてみんなで考えました。

 先ほど述べたように、フィンランド人の幸福度の高さは、充実した社会制度や福祉国家としての基盤に大きく支えられており、彼らは自国の状況を客観的に見つめる中で、その幸福を実感しているようです。このことから、フィンランド人自身が幸せな気持ちを持ち、いつも笑顔でポジティブでいるわけではないということがわかりました。つまり、フィンランド人個人の考え方が幸福に与える影響は少なく、社会全体が彼らの幸福を支えているようでした。そう考えると、当初私たちが目指していた「フィンランド人の幸福観や考え方を日本に持ち帰って伝える」という目標は、思ったよりも難しい課題であることが判明したんです。

では、この後のスタツアは何を目的・目標に進めていくのか、、、?

 まずは、フィンランドで過ごす中で、それぞれが感じた「幸福」についての考え方や、この経験を通して変わったことをシェアしていくこと。フィンランドで感じた幸福の多くは、社会制度や構造といった私たちがすぐに変えられない大きな要因によるものかもしれません。でも、そういった要因は切り離して、私たちがここで感じた幸福感の違いや、この経験を通して考え方がどう変わったかについて、しっかり共有していくことが大切だと感じています。
 また、日本人がよく陥りがちな、落ち込んだりネガティブになってしまう時の考え方や気持ちのリフレッシュ方法について、フィンランドで感じたことを元に提案・共有することで、「今ある幸せを削っている原因」に向アプローチしていきたいと考えています。

振り返ってみると、「せっかくフィンランドに来ているのだから、何かフィンランドから持ち帰らなければ」「フィンランドと日本を結びつけて、何かしら成果を出さなければ」と思いすぎていた部分がありました。チーフとして、このツアーを「成功」させなければならないと、私自身が強く気負っていたからかもしれません。
しかし、そんな中でスタツアメンバーが、これまでの学びを冷静に分析し「気負いすぎずに、感じたことをシェアするだけでも、このツアーに来た意味があるのではないか」と助言してくれたことで、今はより素直に、このスタディツアーに向き合えている気がします。

みんなに感謝〜ありがとう〜🌼 


いいなと思ったら応援しよう!