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自力で日本語講師試験に合格する方法①【日本語講師 概要編】

【はじめに】
こちらは日本語講師になるための方法をご紹介しております。また今後日本語講師が国家資格になる可能性について、私が資格取得している「国家資格キャリアコンサルタント」の移行時の事例を比較してご説明しました。

「日本語教育能力検定試験」の具体的な勉強方法や受験対策については、『自力で日本語講師試験に合格する方法②【日本語講師 受験対策編】』で紹介しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。

日本語講師を目指してみる

令和に入りビジネス関連サイトでは、日本の働き方が変わってくるという記事を多く目にするようになりました。従来は組織の一員として、転々と変わる配属先で様々なスキルを身に付ける「ジェネラリスト」が企業に必要とされてきました。この日本で特徴的な働き方は「メンバーシップ型」と言うのに対し、欧米型の働き方は自分の専門的分野をアピールし、その分野に限って高いスキルを提供する「ジョブ型」と言います。

これからの時代は徐々に「メンバーシップ型」から「ジョブ型」にシフトすると言われます。この「ジョブ型」へのシフトが、今回のコロナ禍によって一気に加速度を増してきたように感じます。リモートワークで、個人の業務のスキルの差が露呈してきて、企業が使える人間使えない人間を判別しだしたことが要因と言えます。実際私が担当する企業でも、社長からそのようなお話をよく伺います。

このような時代背景の中で、今後を見据えて自分の仕事の可能性や自分の専門性を高めたいと考える人も多いと思います。その時に、日本語を外国人の方々に教える日本語講師という職業の可能性を考える方もいるでしょう。日本人であれば日本語を教えるのはそう難しいことではないのではないか?日本語講師になるためには資格などはあるのだろうか? 

そんな思いで様々ネット検索をする中でこのページにたどり着いてくださった方に、私の個人的な経験談が、何かしら皆様の参考になればと思い記しました。

「日本語教育能力検定試験」とは?

日本語を教えるための資格を得るためには、日本国際教育支援協会(JEES)が実施している試験に合格するという方法があります。記事のトップタイトルでは分かりやすく「日本語講師試験」と表記しましたが、正式名称は「日本語教育能力検定試験」と言って年一回10月に試験が実施されます。

必ずしもこの試験に合格しなければ日本語講師の職に就けないのかというと、そういうわけではありません。自分がどのような場所で活躍したいかによって求められるスキルや資格が違ってきます。(私がなぜ「日本語教育能力検定試験」に合格する道を選んだのかという理由は、『自力で日本語講師試験に合格する方法②【日本語講師 受験対策編】』でご紹介します。)

例えば将来、法務省告示の日本語教育機関で日本語を教えようと考える場合は、定められた方法で日本語講師の資格を得る必要があります。現在のところ次の①~③の3つの選択肢があります。

①文化庁が認めた日本語教師養成講座(420時間)を受講する。&学士(四大学卒)を有する。
②日本語教育能力検定試験に合格する。
③大学・大学院で日本語教育を専攻し卒業する。

①は様々な文化庁認定の教育機関で講座を開設していて、授業の実習もあり実践的な指導をしてもらえます。このコロナ禍でオンライン講座も増えてきたようです。ただし、値段が高額です。私が①に対応している学校を探した時にはほとんどが40~50万円台で、安くても25万円ほどという状況でした。

お金に余裕があって、四大卒で、420時間受講すれば認定が確約している(講座内で実施される試験がありますが合格レベルに達しなかった場合は、追試などの救済措置があると思います。)といった安全策を求める方は、①の選択が良いかと思います。

②は①に比べて格安です。金銭的な負担を抑えたい方はこちらがお勧めです(私が選んだのはこちらで、無事合格できました)。最低限かかる費用は日本語教育能力検定の受験料で、税込14,500円です。

更にかかる費用としては教材費です。合格するためには、何かしらで勉強する必要があるのですが、一番お金をかけない方法は必要な教材のみを使用し、全ての独学で勉強する方法でしょう。効率的な勉強のためには的を得た教材の選び方が必要になります。私のお勧め教材については『自力で日本語講師試験に合格する方法②【日本語講師 受験対策編】』でご紹介します。

ただ実際受験してみて分かったことは、独学だけだと「受験に関する情報」という点では不安な面があると思います。私は、通信講座で学んだのですが、教材よりも「サポート」や「情報」という点で合格に導いていただいたと思っております。

通信講座は私が受験しようと調べた時には5~6万のものから15万くらいのものまでありました。今回私が選んだのは「アルクのNAFL日本語教師養成プログラム(料金:税込103,400円)」です。

10万円を超えてしまうので通信講座としては決してお安くはないのですが、①を選択するよりは金銭面での負担がかなり軽減されました。そして何よりも、お伝えしたように合格に向けて様々役に立つサポートがありました。(これも『自力で日本語講師試験に合格する方法②【日本語講師 受験対策編】』でお伝えしますね。)

②の方法は四大卒でなくても日本語講師資格を得ることができる点で、勉強さえすれば平等に門戸を開いてくれていると思います。

③の基準は、『大学・大学院で「日本語教育に関する教育課程」を 修得し、もしくは「日本語教育に関する科目の単位を26単位以上」修得し、当該大学を卒業し又は当該大学院の課程を修了した者である』ことです。

すでに基準に達している方は一番楽に資格を得られるものですが、もし今から学習をスタートするとなるとかなりの時間を要することになるでしょう。(こちらの基準は変更になる可能性がありますので、最新情報は文化庁のサイトをご確認ください。)

①~③の中で、私は料金面で安いことと短期間で取得したかったことから、②の方法を選んで合格しましたが、皆さんそれぞれご自分の状況に合わせて最適なものを選択していただければと思います。

因みに、上記はあくまで法務省告示の日本語教育機関で日本語を教える場合の資格であって、その他の語学スクールや個人で教える場合などは特段の規定はありません。(スクールによっては何かしらの資格証明を求めるところもあるかと思います。)

特に資格を得なくても実力があり、自分の能力を提供できる場所がある場合には上記の選択は必要ありません。早速行動あるのみだと思います。

今後国家資格になる!「日本語講師」資格

今のうちに「日本語講師」資格を取得しておいた方が良い理由として、今後日本語講師資格が国家資格になるという情報が挙げられます。文化庁で公開されている資料によると、その実施は2024年度以降と示されているようです。実際、私の受講したアルクの日本語教師養成プログラムでは、日本語講師が国家資格化することに関わるメールが下記の通り(メール文より一部抜粋)受講者に送られてきました。(2022年1月)

本講座(ご受講期間1年間)では、何らかのご事情で期間内に課題の提出が間に合わない方に対し、有料で1年間の受講延長をご提供してまいりました。しかしながら、現在議論が進んでおります日本語教師の国家資格化の動きを鑑み、本講座におきましても、今後数年以内に実施予定とされている新試験に向けて内容変更の検討を開始する関係で、誠に勝手ながら受講期間延長制度のご提供を中止させていただく運びとなりました。

各スクールともに着々と国家資格化に向け準備や体制作りが始まっています。国家資格化されることで、日本語講師の社会的地位も高まることは間違いありません。

別な資格で国家資格化が行われた際の事例をご紹介します。それは「国家資格キャリアコンサルタント資格」です。私はこの国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得しておりますが、この資格も2016年4月より国家資格になりました。それ以前は民間団体の講座を受講しキャリアコンサルタントと名乗る方も多かったことから、「キャリア・コンサルタント」と名乗れるために国が基準を設けて制度を整えてたという背景があるようです。

このキャリアコンサルタントの国家資格化の移行にあたっては、2016年4月より前に今回の国家資格キャリアコンサルタントと同等レベルの講習を受講し試験に合格していた者は、キャリアコンサルタント合格者として扱われました。そして民間の資格者と分けるために、「国家資格キャリア・コンサルタント」という呼称を使うように示されました。

さて、今回の日本語講師の国家資格化の場合、移行措置をどのようにとるのかはまだわかりません。ただ「日本語教育能力検定試験」を実施する日本国際教育支援協会(JEES)は公益財団法人であり、外国人(日本語を母語としない者)への「日本語能力試験」(国内実施分)を実施している団体です。このように日本語の試験に関してすでに実績と信頼がある団体の実施する試験に合格した者が国家資格への移行する際は、極端な負荷を設けることなく対応していただけると期待して良いでしょう。

そして国家資格化されたあとに実施される「日本語教育能力検定試試験」に準する試験や、その他の日本語講師になるための資格取得要件については、今よりやさしくなることはないと思われます。今のうちに日本語講師資格を取得しておいた方が良いことは間違いないでしょう。

(次回)4か月で日本語教育能力検定試験に合格する方法

実は「4か月で日本語教育能力検定試験に合格した」私の体験談も、この後書き続けるつもりでしたが、日本語講師の概要を説明すらだけでかなり長くなってしまいました。そこで、『自力で日本語講師試験に合格する方法②【日本語講師 受験対策編】』として別の記事にすることにしました。

もったいぶっていると感じた方には、誠に申し訳ございません!!ただどうしても、今回の概要は知っていた方が良いだろうなと思い、気付けば長々と書いておりました。

「日本語教育能力検定試験」の受験を考えている方は、受験対策編をご覧くださいませ。

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