人生にヒントをくれるもの
人にはそれぞれ、何かしら人生の重要な決定事項に影響を与えたもの(本、映画、思想)があると思います。
当初は、それ程影響を受けたと感じなくても、後で振り返った時に自分でもびっくりする位、影響を受けている事は、少なからず誰にでもあると思います。
影響を受けるものは、何も哲学書や偉人の言葉、感動的な映画だけではありません。それどころか、「取るに足らないもの」である事の方が、圧倒的に多い気がします。
あのスティーブジョブスでさえ、Macを製作する過程で影響を受けたもの(カリグラフィー)について語っています。
ジョブスが大学で勉強したカリグラフィーは、「生活の役には全く立たないけれど、後にMacを製作する際に美しい文字でタイプするアイデアを思いついた」と、語っています。
え!カリグラフィー?とMac?一瞬キョトンとして、全く結びつかないです。
人生において、多大な影響を受けるものは、周りの人から見たら、思わず「え!何それ?」と吹いてしまうものかもしれません。
かくいう私も「ツタンカーメンの黄金のマスク」には、多大な影響を受けました。
「黄金のマスク」を初めて知ったのはテレビ番組でした。ご当地キャラのようなビジュアルと、蓋を開けると包帯に包まれたミイラが入っているというシュールさに、まだ、幼稚園児の私は強烈なインパクトを受けたのを今でも憶えています。
そして、最初は相当な恐怖を感じました。
それは、ちょっと呪いをかけられた感じに似ていると思います。今思えば、これがアートに興味を持ったきっかけだったと思います。
そしてこの出会いが、私が制作しているアート作品の原型を作りました。
さて、子供の頃には、フラットにものを見られた自分も、大人になってからは色々な影響を受けたせいで、何かを見る時、スクリーンを通してものを見てしまう所があるような気がします。
出来るだけ、固定概念を入れないで、可能な限り柔らかい心で、ものを見るように努力しています。
どんなに些細なものでも、それが人生にどんな彩りをもたらすのか?ヒントとなってその後の自分の人生にどんな影響を与えるのか?「自分以外」は、誰にもわからないのですから。