認知症の種類とその特徴
前回認知症とその看護ケアについて考察しましたが、順番を間違えてしまいました。なので今回は前回の補強版になります。
認知症にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。代表的なものを以下に紹介します。
1. アルツハイマー型認知症
🔹 特徴
認知症の中で最も多い(全体の約50~70%)
記憶障害(特に新しいことを覚えられない)が最初に現れる
進行がゆっくりで、徐々に言語障害・判断力低下が見られる
最終的には日常生活が困難になる
🔹 原因
脳にアミロイドβタンパク質が蓄積し、神経細胞が壊れる
🔹 主な症状
もの忘れ(特に最近の出来事)
時間や場所の感覚がなくなる
人や物の名前が出てこない
感情が不安定になる
2. 血管性認知症
🔹 特徴
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因
まだら認知症(良い時と悪い時がある)
感情が不安定になりやすい
手足の麻痺やしびれを伴うことが多い
🔹 主な症状
記憶障害よりも注意力や判断力の低下が目立つ
急に認知機能が低下することがある
感情の起伏が激しくなる
3. レビー小体型認知症
🔹 特徴
幻視(実際にはないものが見える)が特徴的
パーキンソン病のような運動障害(手足の震え・歩行困難)を伴う
認知機能が日によって大きく変動する
🔹 主な症状
リアルな幻視(人や動物が見える)
注意力の低下、意識の変動
体が固くなり転びやすい
夢の中で大きな動作をする(レム睡眠行動障害)
4. 前頭側頭型認知症(ピック病)
🔹 特徴
50~60代で発症することが多い(若年性が多い)
前頭葉・側頭葉が萎縮し、人格や行動に異常が出る
記憶障害よりも性格変化や社会性の欠如が目立つ
🔹 主な症状
突然、他人に対して攻撃的になる
万引きや暴言など社会的に問題のある行動をする
同じ行動を繰り返す(常同行動)
言葉の意味が分からなくなる
まとめ
認知症は種類によって症状や進行の仕方が異なるため、正確な診断と適切な対応が重要です。