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でも時々は大作

つれづれ音楽雑感 第25回


Bluetoothストリーミング補聴器のおかげで
大作主義を脱出した私ですが

でも、時々、大作を聴くとやはり満足感がすごい

でも、強く感情を持っていかれるのが予想できるから
聴く前に心の余裕がある時でないと・・・

でも、たまにそんな時がある

何を聴こうかとYouTubeを探す

一番強烈に心の奥まで掴まれるのは
ブラームスの交響曲かもしれない

ベートーヴェンの交響曲も大作ですばらしいけど
やはり、紆余曲折や苦悩、闘争を経ても、
最後は神の祝福に満ちた
輝かしい栄光へ到達して
勝利を高らかに宣言するようなところがあるから、
長いし、感情的な疲労も感じるけど
聴いた後の爽快感があるように思う

けど、ブラームスは
もっと切ない割り切れない思いがあるように感じる
理性では割り切れないけど認めざるをえない真実みたいな

第1番交響曲の作曲に21年をかけるほど
ベートーヴェンの交響曲を意識した彼だけど
意地悪な見方をすれば、
挑戦するだけの力量の可能性を自分に感じていたはずだ。

そして、実に見事な交響曲を4つ完成させた。

個人的には4番が一番好きだけど

ブラームスはベートーヴェンの交響曲とは違う
素晴らしい感情表現に成功していると思う。

自分は楽譜も読めないし
音楽の素人だけど
資料を読むと
ベートーヴェンの後継者としてふさわしい
伝統的な技法を駆使しているらしい。
でも・・・

理性では割り切れない
生身の人間の情念が
ついには理性の枠組みを突き抜けて
爆発するような強い感情表現があるように感じる。

彼は内気で穏やかな性格だったと伝わる。
時々、気楽にガス抜きや
息抜きなどできない不器用な男
もともと、社交家だったベートベンとは違うなあ
しかし、彼は自分と意見の異なる人々との交流をしなかった。
心の底には妥協できない熱い情念の炎がたぎっていたに違いない
彼が晩年まで、作曲の情熱を持続したのは
自分の心に沈潜するタイプの性格と無関係ではないだろう
彼は寧ろ後期にこそ輝いたのだ。

穏やかで紳士的な音楽は次第に熱い情熱に覆われ
ゆっくりと思いが積み上がっていくようだ。
彼の音楽には
見かけの内気とは反する激情が現ているに違いない
長い尺は避けられない必然、のような気がする。
内気で穏やかに見えるけど、
妥協をゆるさない真剣さ
一途さを持ち続けた
彼の性格が表れているような世界観です。
たしかに、彼のみごとな音楽技法は
それを美しい音楽として昇華させているけど

”心のゆとり” とか、準備は必要かもしれないけど
これからも、時々は聞かずにはいられないだろうなあ

でも、時間だけは贅沢につかえる無職の年寄りだけどね



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