佐藤うめ子

貴方の夢は何ですか? 子供だった あの子の夢はバズライトイヤー 大人になったあの子は フランス外人部隊の世界へ飛び立った この物語は 私達のサバイバルゲーム いや、彼のノンフィクション 物語

佐藤うめ子

貴方の夢は何ですか? 子供だった あの子の夢はバズライトイヤー 大人になったあの子は フランス外人部隊の世界へ飛び立った この物語は 私達のサバイバルゲーム いや、彼のノンフィクション 物語

最近の記事

春の兆し

夜中のベルが鳴る 季節が変わり始めた頃 何ヶ月か音信不通だった バズライト予備軍からの 生きている証の音だ あ、生きてた。 音で安堵が押し寄せた、、 教育隊の訓練が終わったベルが 私の耳に届いた 良かった、生きていた。  きっと 何を大袈裟に、と思うのかもしれないけれど… 日本ですら、、 射撃練習で失明した者 辞めたくて自ら逝く者 状況を目の当たりにすると けして 大袈裟ではないのです まして そこは異国の地 肌の違う人々 文化の違う人々に 囲まれた世界 も

    • 「生」

      人は「死」を意識してから 初めて「生」を始めるのだろう 私は 幼いころから身近で死を早々に感じながら いつも生きていた 漠然とした「死への課題を」 模索しながら生きていた 何故  こんなにも考えさせられるのだろうと 27歳のあの時 職場の先輩と初めて入ったカフェ 「私さ○○歳になるの怖いんだよね・・父親が首つりした年齢でさ 前日も普通にふつーーーだった父さんだったのにね 止められなかったんだ私 その年にだんだんと近ずいていくのが怖くてね・・・」と 先輩はアイスコーヒー

      • 知らない世界の幕開け

        あの門を潜り夢の異世界へ 突入したバズライト予備軍 「これからフランスへ行く」と 真夜中に連絡が来てから 3ヶ月が経った… 試験に落ちたならすぐに パスポートは返され帰還するはず 日本のWi-Fiが使えず 入隊試験を受け受かっていたら 即座に携帯やクレカ等 全てを没収され訓練に入っている はず… はず… もうここまできたら 「生きてさえいてくれたら良い」 と言う思考回路にしかならない 「知らない世界」というのは 人の創造を乏しくさせ要らぬ 想像を掻き立てる 私の

        • 夕陽のあの日

          夕陽が綺麗だったあの日 四半世紀以上も過ごした あの街から全てを捨てて 私は逃げてきた 悲しみも我慢も屈辱も 流した涙や憎しみも 全てを洗い流した あの綺麗な夕陽と共に 夜を迎える頃には 泣き腫らした心も軽くなっていた もう若くない私は 彼のぶれない姿勢や 後悔しない人生を歩む姿勢に 勇気をもらってこの道を選んだ 自分らしく笑い 自分らしく生きる 人生にやっと戻る事ができた 小さな頃に戻れた 小さな相棒に勇気をもらい 精悍な彼に勇気をもらい 私は暗示をかけられた魔法

          夢の世界

          元々日本の部隊の経験がある上に フランス語学を身につけた筋肉男 バズライト予備軍ですら 言葉を選びながら私に話す 日本の軍隊にいた時も 訓練場所は煙に巻く 元々lineは信用していない節があり 大切な話は直接話していた 今考えるとその頃から彼はフランスを見ていた その世界で 「自分は果たしてどこまで通用するのか」 その一択しか頭になかったようだった 世の中では 日本人が何をわざわざ他国の軍人として 入隊して常識がない、目立ちたがり  日本を大切にしていない等、、、 ゲ

          パン職人希望

          私は日本しか知らない バズライト予備軍がフランスに 飛び立ってから 「フランス」「外人部隊」を 出来るだけ調べた このSNSが普及している世界にも 一握りほどの 元フランス外人部隊日本人がいた そうゆう場所で発信している人 以外に実は日本人が 密かに静かに働いている事を 後に結構存在する事を私は知った そりゃ現役は色々と大人の事情で 軽はずみな発信は出来ない お国柄の諸事情が関わる問題がある 国が変われば思想や 価値観も変わる 日本でもそうだった様に 生き抜く術を

          パン職人希望

          真夜中の電話

          夜中 電話が鳴り響く… 「俺、ドバイ経由で フランス行きに乗るから もうwifiが使えなくなる フランスに入って試験受かったら 携帯全て取られるから受かったら 暫く連絡はできないから」 と早口で告げられて切れた 努めて明るく いつも通りに受け答えしたが 心臓が掴まれた緊張感が走る 私は大切な決断で 「大きな間違いを」 犯してしまったのかもしれない 取り返しがつかない決断だ 何ヶ月をも音信不通の間 何度も、何度も後悔していた ある元フランス部隊の方の父親は しっか

          真夜中の電話

          タイムリミット

          「荷物送ったから」 唐突な言葉 「東京を引き払ってフランスに早く 行かないと行けなくなるから」と 世界が流行病の中 出入国が面倒になるからと 移住先の部屋の家具は投げ捨て リュック一つとパスポートのみを持ち フランス外人部隊の「試験会場」的な場所 のよくわからない地名を便りに行くと言う バズライト予備軍は鼻息が荒い あの時の最後の話し合いの時… 「30歳になって後悔したくない」と呟いた彼の顔を 私は死ぬまで忘れないだろう・・・ 彼の夢を諦めさせて やりたくもない仕

          タイムリミット

          笑顔の向こう

          フランス行きの話し合いも 平行線を辿り着地点のないまま 時は過ぎていった頃… 友人と此方の方にくると バズライトから連絡がきた 顔を見たい自分がいた 予感を避けている自分がいた 言葉と行動が一致する 真っ直ぐなバズライトの言葉が 時に眩しく私に突き刺さる 逢いたい 逢いたい 笑顔の顔を見て安堵したい しかし私は揺らいでいた 選択できない事に腹が立っていた 周りが、環境が、そして 「かつての身内」が皆が 流行病の噂に翻弄され 掻き回されていた それが私を消極的にさせ

          笑顔の向こう

          後悔

          人生 生きていく中で 人は何度自分を振り返り ため息をつくのだろう 人はこの世に産まれ この自分として存在する今が 最初で最後とわかっていても 決めきれず後ずさりする そう 長く生きていて 歴代No.3に入る位の「後悔」 「突然の写メ」※参照してね がきてから 東京に住み始めたバズライトは 隊員時代の貯蓄で素早く部屋を借り 缶詰状態の環境に自分を置いた 半年もすればほぼ簡単な フランス語は話せ ヒアリングも70%は理解出来る お宅力を発揮していた そこしか夢に描いて

          譲らない攻防戦

          一年前… 私達は譲らない攻防戦中 ゲームの冒険物が好きだった バズライト予備軍は 攻略本は決して見なかった 課金をし華やかな武器を持ち 強い防護服も着てる友人とゲーム 素早く後ろからしょぼいナイフで 仕留め 友人を怒らせた事もあったようだ 興味を持てば突き進み その道を極めるお宅気質 物事を分析して変わった角度から じっくり眺める目 有言実行で突き進む凛とした目 フランス外人部隊に入り まだ見ぬその世界を見たいと 熱望し話すその眼差しと覚悟は もう決めているあ

          譲らない攻防戦

          顎が落ちる

          あのさ 「東京でフランス語学校行くわ」 はい?? 私の頭はカオス状態 畳みかけるように追いカオス 「ある程度身に付いたらフランスいくわ」 はい??? 「フランス外人部隊に入るから」 顎落ちた 頭がそこまで悪い訳ではない いや、むしろ嵌れば器用に 何でもそこそこにこなしていた お宅気質ではあるかもしれないが スポーツもこなしていた カオス野郎な一面はあったが カオス通りこしてここまでくると 気狂い野郎  丁度月末 給料がでた私は コンビニでプチ贅沢のデザート

          突然の知らせ

          それは… 一枚の飛行機の窓からの 写メと短過ぎる言葉から 始まった 夢とは 満たされた心を感じて 生きやすくする手段の指針 この次元世界の空間を エストロゲンで満たす為に 錯覚させてゆく手段 人はなりたい自分を熱望し熱望し その先は幸せが待っていると願い 人生を生きる為に キラキラと未来を散りばめながら 夢を希望にし 死ぬ為に生きてゆく… 「部隊、辞めたから」 ある日 唐突に写メのLINEと共に メッセージが届いた 何年も積み重ねた辛く過酷な訓練や自由のない世界の

          突然の知らせ