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「Enoniwaは、私たちと知的障害者がお絵描き友達になれるツールです」

こんにちは。Enoniwaのキタバヤシです。

キタバヤシ

この記事ではEnoniwaの紹介や、私たちがこれから何を目指していくのかをまとめました。
絵を描くことに興味がある人・コンプレックスがある人、知的障害者の家族を持つ人、福祉に興味のある人、建築を学んでいる人など…もちろんそれだけでなく、たくさんの人に届いたら嬉しいです。よろしくお願いします!


Enoniwaとは…

ロゴ designed by vora 

Enoniwaとは、絵を介した間接的な対話によって、知的障害者と私たちがお絵描き友達になれるツールです。

絵を介した対話とは?

障害者が生み出す「動く筆跡」に対して、私たちが一緒に筆を動かしていくことを対話と呼んでいます。
どういうこと?と思いましたよね。まずはこの動画をご覧ください。


これ、知的障害を持つ方がiPadに絵を描く過程の動画です。
メイキングとか、タイムラプスって言ったら分かりやすいですかね。
これを動く筆跡と呼んでいます。

私たちは動く筆跡を追いかけたり、真似したりすることで、自然に筆を動かすことができます!(緑:動く筆跡 黄:私たちが引いた線)

ASIBA FES2024にてたくさんの人に体験してもらった結果、一日でこのようなギャラリーが完成しました。こんなふうに、私たちと知的障害者の間接的な対話の痕跡が作品として残ります。

絵が描き進められていく過程に価値がある!

利用者さんに描いてもらった絵

障害を持つ人と一緒に絵を描いたことはありますか?

私が驚いたのは、その線に一切迷いがないことなんです。彼らが線を消したり引き直したりするところをあまり見たことがありません。
そして彼らは、まったく予測不可能なかたちを、不規則なリズムで描いていきます。それによって、次はどこにどんな線を引くんだろう?この線は何を考えて引いたの?と、線を通して相手のことを考えることができます。
私は生で描き進められていく過程を見て、「絶対に自分じゃできない描き方だ!!」と感動しました。
私はこのような体験を経て、絵が描き進められていく過程に価値があると考えました。

背景

絵を描くことを、私たちと障害者の対話の道具として使えないか?

障害者アートが障害者と社会を繋げる架け橋だといわれている現代において、障害者を「アーティスト」として世の中に認識させることは素晴らしく画期的なアイディアだと思う反面、アートの生産者と消費者、という関係の間にある壁の存在に気づきました。
私は、絵を描くことってもっとみんなに開かれていて、もっといろんな関係を築ける、対話の道具だと考えています。

(詳しくはこちらの記事で…↓)

お絵描き友達を作ることで関係人口を増やす!

知的障害者の人間関係に注目してみると、施設の職員や家族との、支援する・されるという関係が多くを占めています。(少なくとも、私のダウン症の弟はそうです。)
このような閉じた環境によって、
・家族の負担が増えること
・職員との依存関係の形成
といった課題に繋がります。

そこで私たちは「一緒に絵を描く」という、もっと広くて簡単な関係の選択肢を提示することで、知的障害者の関係人口を増やすことができると考えました。

Enoniwaは間接的な対話(=一緒に絵を描く)によって、障害者と自然に関わるきっかけを増やしていくためのツールです。

実証実験

■ASIBA FES2024

・絵を描くのが苦手な人でも筆を動かすことができる
・「眠かったのかな?」「何を思って描いたんだろう」と、筆跡から気持ちを汲み取る
・障害を持つ人の新しい側面を知ることができる


■地域の人に向けたワークショップ

Enoniwaを地域の中のいろんな人に使ってもらい、施設利用者の理解に繋げます。まずは子供に向けたワークショップや、大人のアート教育など、様々な人に体験してもらいます。

■社会的処方

さらに、Enoniwaを孤独を感じる人のための社会的処方として使ってもらい、絵を介した対話を行う過程で孤独感の解消につなげる実験をします。

Enoniwaを通して見たい未来

Enoniwaは、絵を介した対話によって障害者と間接的に関わるきっかけを生むツールにすぎません。
最終的には、Enoniwaで作った間接的な関係を、施設利用者とその周りに暮らしている人たちの直接的な関わりにつなげていくことで、互いに助け合えるような地域を作りたいと考えています。

こんな未来が見たい!

絵を描く、それを追いかけるというだけで、障害者と間接的なつながりを作ることができます。普通の人が当たり前のように施設に絵を描きに来る。そんな、福祉施設がちょっと公共的な場所になるような未来を私たちが作っていきます。

ここまで読んでくれてありがとうございました!

Enoniwa キタバヤシ

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