あンまり役に立たない浅草ガイド②おみやげ編
血を血で洗う浅草あんこ闘争を制しているのは亀中のどら焼きだ。
人形焼き、団子、羊羹、饅頭…あらゆる餡子菓子の頂上を極めている。
連日店の前は長蛇の列で、10メートル以上に渡り人々が常時並んでいる。
正直言って、亀十は普通のどら焼きで特別特筆すべきものではないが、お土産にはとても喜ばれるらしく亀中の紙袋を持った観光客とよくすれ違う。申し訳ないけれど、浅草で亀中の紙袋を持っているのは、NYでI ♡NYのTシャツを着ているようなものだ。
浅草でゲットすべきお菓子は、徳太楼のきんつばである。
薄皮に包まれた小さな四角の中にしっとりふっくらと炊きあげられた上品な甘さの餡がぎっしりと詰まり、白紺の縞の包み紙を朱の紐できゅっと縛ってある小箱の姿はお江戸らしい佇まいだ。
そして、徳太楼のお赤飯もとても美味しいので合わせて買われると良い。
二つ目は、BEE FRIENDSHIP浅草店というはちみつ屋さんの作るはちみつ酒MISAKI MEADである。
愛媛の佐田岬出身の店主が、愛媛の花々から集めたはちみつを使い、砂糖や香料を使わず、蜂蜜、水、酵母だけを使い、さわやかな甘さのミード酒を隅田川のほとりにある店舗の二階で醸造している。
十種類近くの色々なフレーバーがあるのだが、先ずは基本のMISAKI スタンダードと、ほのかに薔薇が香るDAMASK ROSE 辺りがお薦めである。
蜂蜜屋さんなので、良質のはちみつも、蜂蜜を使ったお菓子もとても美味しいが、私は、香ばしく炒ったナッツ類を蜂蜜でコーティングしているクリスプハニーナッツを常備している。
店内で愛媛のレモンを使ったレモネードやジェラートを頂くのも良し、テイクアウトして墨田川テラスを散歩するのもまた良し。
こちらの栄養価の高いミード酒は私にとても合っているらしく、お肌や髪がつやつやしてくる。とにかく、余計な添加物などが一切入っていないので安心して美味しく飲める。
炭酸で割ってごくごく飲むのも、瓶から注いだままのものをちびちびと頂くのもどちらも好きで、飽きがこない。これからの寒い季節は、甘酒代わりに温かくしてアルコール分を飛ばして飲むのもお薦めである。
(徳太楼の店舗は観音裏と言う浅草の中心地から少し離れた場所にあるので、浅草松屋デパートの一階エキミセの浅草銘菓コーナーで買うと、蜂蜜屋さんはそのお向かいにあるのでお急ぎの折はとても便利です。)
甘いもの、お酒ときたら、後はしょっぱいものである。
浅草には、松喜という100年続くお肉屋さんがある。
1枚5000円のステーキ肉から100g300円の豚コマまで、浅草民の肉欲を完全に掴む名店である。
チャーシュー、サラミと加工肉も売ってはいるが、あくまでも地元民の副菜や酒のツマミになる昭和の素朴さで、浅草みやげとしてはちょっと弱い。
そこで、浅草散歩という名の迷子になった私がたまたま見つけたのが、グロワグロワという豚肉専門のレストランである。
なんだか小さなレストランがあるなあ、店先にテイクアウトできる商品の冷蔵庫あるなと思い覗いてみるとすごく美味しそうで品ぞろえも豊富である。それでも食に対して疑り深い私が試しに生ハムを200g買って帰宅して頂いたらまっとうに美味しい生ハムだった。
それからチャーシュー、焼き豚、餃子を持ち帰ったけれど、どれもお薦め出来る、浅草みやげとして推せる味と品質だった。
今は、急なお客様用としても常備している。
あンまり役に立たない浅草ガイドを標ぼうしているが、今回のおみやげ編は役に立ちます。
因みに、どのお店もネットで買うことが出来るのでしょうけれども、まじかー、浅草人多すぎー、ウチの地元のお祭りより人多いじゃん!とひとりごちながら徘徊し、おみやげをゲットするのが楽しいのである。