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校内ポータルサイトと分岐点


はじめに

どこにでもいる公立小学校教員である私の発信の希少性は何か、改めて考えてみました。

・教育におけるICTツールの活用について
 →すでに多くの方が実践されている。noteや書籍でも見ることが可能。
 →低学年(1年生から)という点も強みではあるのだが、具体物を大切にしたいという想いもあり、迂闊な発信はできない。
・働き方改革について
 →そもそも今の自分の働き方が、人様に紹介できるような状況ではない。
 →毎日、机上をそのままに保育園へ大急ぎ。
・算数教育
 →日々、読書をして実践を重ねているが、希少性とは?

となった時に、私の発信の中で他のSNSや書籍などで比較的未開拓の部分は何だろうかと・・・

私なりの結論は「校内ポータルサイト」に関するノウハウだと思います。

今となっては校務DXに関しての情報は、多くの媒体から出されています。
文科省のHPにも参考となる多くの情報があります。
私の手元にも「校務DX」や「学校DX」といった類の書籍が多くあります。

しかし、それらの書籍の多くは(書籍化されるほどの)優れた実践者が行なってきたことであったり、先進校として取り組んでいるところであったりとなかなか一地方の公立小学校としては実践しにくいところがあります。

真の意味での普通の公立小学校が「学校DX」へと歩み出す道のりを公開していくことに私の発信の価値があるのかなと思いっています。

校内ポータルサイトとは

私の考える校内ポータルサイトは大きく分けて2つあります。
「職員室ポータルサイト」「児童のポータルサイト」です。
学級や学年のポータルサイトはcanvaなどでよく実践されていますが、校内の児童全体のポータルサイトはまだあまり聞きません。
(私の感度が低く、すでに多くの実践がなされていたらすみません。)

分岐点

この校内ポータルサイトは「学校DX」の鍵となりうるものだと思っています。
だからこそ、それを導入するにあたって押さえておきたいポイントがあります。
本記事ではそれらを「分岐点」として紹介したいと思います。

導入時期

「職員室ポータルサイト」の導入時期については1択です。
年度当初です。

なぜ年度当初なのか、私の実体験から考察します。
そもそも、年度当初以外に導入できるとしたら長期休業中つまり「夏休み」か「冬休み」しかありません。
それ以外の平常時に導入するのは不可能です。
では、夏休みにおけるメリット・デメリットを考えます。

メリットは、十分な使い方のレクチャーができるという点です。
デメリットは、一学期の幻影を引きずりながらスタートするという点です。

要はシステムが一学期と二学期で違うので、
「週案はどっちで出すの?」「反省は?」「特別教室の予約見忘れた・・・」
のように変更に伴うエラーが起きることが予想されます。

冬休みに関しては、今年度は奇跡の9連休に象徴されるようにそもそも出勤日がほとんどありません。

また、冬休みスタートを見越して12月(師走)に準備をするなんて不可能です。

結果、年度当初が一番動かしやすいです。

しかし、年度当初に急にスタートするのも無理な話なので、前もって準備をしておく必要があります。

条件1 ポータルサイト作成者および管理職に異動がなさそう。
条件2 3学期の段階で来年度に向けて予告をしておく。
条件3 春休み(3月末)に稼働する。

条件1に関しては、想定して動くしかありません。
そもそもポータルサイトのようなものを校内で動かしていくためには管理職の理解・協力は必須です。

また、春休み(3月)の段階でプロトタイプを稼働しながら「こんな機能があったらいいね」「ここはアナログのほうがいいね」などの情報を集めておくことで新年度すぐに動き出すことができます。

異動してこられた先生方にとっては、どちらにしても初めてのことなので丁寧な説明がいりますが、新しく文化を作っていく楽しさがあります。

職員室の捉え方

私がポータルサイトの運営に関して一番気をつかっているところは、「誰にとっても使いやすい」というところです。
担任の先生方や管理職の先生方はもちろん、事務室の先生や養護教諭、司書、栄養教諭に至るまで全職員が使いやすくなるように心がけています。
もちろん改善の余地はまだまだあるのでしょうが、その声を聞き逃すことのないようにすることが必要です。

児童用ポータルサイトでできること

職員用のポータルサイトが起動に乗ったら次は児童用のポータルサイトです。
私の学校では2学期からスタートさせました。

これは先ほどと逆で、年度当初はやめておいた方がいいと思います。

夏休みに先生方と打ち合わせた上で二学期スタートが一番安定すると思います。

とはいえ児童用ポータルサイトについては、本校でもまだ道半ばです。
中学校ぐらいになるとイメージも湧いてくるのですが、1年生から6年生が混在する小学校での活用イメージはまだまだこれからかなと感じています。

現状「学習サイトへのリンク」や「生活アンケート」、「委員会からのお知らせ」、「学習ノートの展覧会」を柱に運用していますが、改善の余地が多いにあります。

また、運用にあたっての意見集約は主に教師側ですが、これを子どもたちに委ねてより良くしていきたいと思っています。

作成にあたって

私のおすすめは「Googleサイト」です。
「canva」でも可能ですが、こういったシステムは作成者や運用する人いが異動すると当初の熱を保てなくなることが多いです。

私の自治体では、Google for Educationが導入されていることもあり、誰でも使えるツールで作成するほうが持続可能性が高いと思います。

本校のポータルサイトのヘッダーやアイコンがcanva産なことは秘密にしておこう・・・

また、本校はICT支援員が同一市内に3年連続で勤務しており、気心の知れた関係になっています。
技術的に少し難しいことを委託できたことも大きいです。

運用にあたって

正直に申して、一朝一夕で学校DXが進むとは思っていません。
周りの先生方や管理職の先生方のストップがかかることもあるかもしれません。

平坦な道のりではなくとも、この校内ポータルサイトを開始するというイニシャルコストをかけておくことで、後々のランニングコストは大きく下がっていくはずです。

今、情報主任やそれに準じる立場でこの記事を読んでくださった方々の背中をそっと押すことができたら最高に嬉しいです。
コメントいただいた方で、私にできることがあれば力になりたいと思っています。

忌憚なく、ご意見をいただけたらと思います。

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