ラブホには一人で来る。裸の自分を撮るためだ。従業員さんも「何だコイツは」と思ってるだろうが、何か言われた事はない。 地元のラブホ「K」の502号室。ここが俺のお気に入りだ。自然光がよく入るし、その上角度的にレースのカーテン一枚で室内が見え難い。植え込みで外と区切られたバルコニーもあって、野外露出も演出できる最高のスタジオなのだ。 部屋に入り三脚にインカメにしたスマホをセットする、タイマーは5秒。次にTVを点けアダルトにchを合わせる。当然だが、この時点でオナニーする訳では
「近くの人」の中にトオルさんを見つけた。 彼は職場の先輩、穏やかで面倒見のいい人だったが、数字に厳しい会社の雰囲気に嫌気がさしたと三年程前に辞めたのだった。 やべ、足跡残しちゃった。 俺のアカウントも顔画像載せてるけど、まぁバレないかな...なんて事は無く速攻でDMが来た。 「久しぶり、あめふりでしょ?」 「トオルさん、お久しぶりですね」 「あめはさ、男とヤッた事あるの?」 「はい、ありますよ。トオルさんは?」 「会って話しただけ、行為は経験無いなー」 ここでふと、俺の
アプリで出会った男、彼は何だか怒っていた。 DMで「会う気がないならもうイイです!!」 約束の時間に(ほんのちょっと)遅れただけで、もうその剣幕かよ... 「スマン、色々あって遅れた。約束の場所には来てるから、もっかい迎えに来てくれよー汗」 色々あって来てくれた彼は、行きつけのスポーツクラブで顔くらいは知ってる間柄の男だった。彼曰く、この世界は冷やかしも多いのだとか。 とにかく、これから俺はコイツとヤるのだ。どういう展開になるのかは知らんが、コイツが初めての男なのだ。 「プ
病室にマスターを見舞う。二十数年振りに会う彼は、ステージ4の癌に犯され死の淵にある。 「....てくれないか?」 「いいよ」 ここは個室なので遠慮はいらない。俺は彼の前で下着まで脱ぎ、生まれたままの姿になった。 大学の頃のバイト先のオーナーシェフがマスター。仕事に厳しくも丁寧な指導と気さくな人柄、四十代半ばとは思えないスタイルとトレードマークの口髭で、バイトもお客も惹きつける魅力に溢れた人だった。 でも彼には、俺にしか見せない一面があった。 「今日もお疲れ、お客さん多く
【猥褻】 俺の初めての男性経験は中一、今で言う性被害だった。 昼休みに、二つ上の従兄弟に呼ばれてトイレに行くと柔道部の三年生がいて、その性器を握らされた。 「どうだ?固くなっとるやろ〜?」 荒い息遣い、血走った様な据えた目が怖い。でも、それは柔らかいままだった。あの歳にして糖尿だったというから、その影響もあったのかもしれない。 「下、脱げよ」 子供だった俺には、トイレで下着を下ろす事に何故そこまで興奮するのか分からない。でも従兄弟も見当たらないし、脱ぐしかなかった。 先輩の言