ネコのこと 虎太郎のこと 002
棚田俱楽部には、ホイケルという名の先住猫がいた。先住猫がいることでこの迷い猫は里親探しをしているのだという。里親が見つからなければ、棚田倶楽部の支援員さんが一時的に預かることになる、そんなタイミングでの出会いだった。
その「みゃーみゃー」は、とても不思議な模様の猫だった。
一目見るとアメリカンショートヘアのような灰色地に黒の渦巻き模様。でもよくよく見れば、灰色地に黒い縞々のいわゆる鯖トラ。でも足は白く、何よりも特徴的な短い鍵しっぽ。そしてクレオパトラライン。
どんな親の下で産まれた仔猫なのか想像できないけれど、キトゥンブルーの大きな瞳が目立つ顔は、とてつもなく可愛かった。
さて、僕の家には猫を飼うための用意が何一つない。当たり前だけど。
とりあえず「飼います。準備を整えてもらいに来ます。」と言い置いて、翌日さっそく猫用品一式を揃えに、ホームセンターに向かった。
まず、第一にゲージ(キャリーケース?キャリーバッグ?)。もらい受けるときに段ボール箱という訳にもいかないだろうし、お医者さんに運ぶ時にも必要だし、なによりしばらくはそこを自分のテリトリーとして安心して過ごして欲しいし。
次にトイレ・トイレ砂。トイレ砂は、棚田倶楽部のゲージに合った紙のやつがたぶんいいのだろうし、そうだ、匂いの付いた砂(紙?)も少し分けてもらわないとね。
あとは、ご飯容器・水容器・当面のご飯、ドライ(食べられるのか?)とウェット(1歳までの幼猫用)の両方、遊ぶために1本70円の猫じゃらしも。
猫を迎えるための買い物にワクワクして、店員さんにも「これから猫を飼うんですよ~」オーラをまき散らして(店員さんがいちいちそんな客の思いに反応したとは思わないけれど・・・)とにかくいそいそと家に帰った9月4日。