【後編】イメコンの診断に行って顔タイプ着物アドバイザー1級認定講座を受講するまでの一年
後編です。顔タイプエレガント、ブルべ冬、骨格ストレートという結果に深く納得し、それで日々楽しんでいたはずの人間がなぜ講座まで受講しに行ったのか。受講するまでまだ長いこと考え悩んています。そして得たものは想像以上に大きかった。
前編はこちらです。
存在は気になっていた
その名の通り顔タイプ診断®の着物版
イメコンの何某かを受けようと思いたった時、顔タイプ診断協会の公式サイトを見て着物版もあることを知る。その時は洋服迷子だったので存在を知るだけに留まった。着物誂え派だったら絶対自分が似合うものを知っていたほうがいいだろうナァ…色無地だったらPCを優先したほうがいいのかな??ない予定に思いを馳せたりした。
似合う柄はアンティーク着物の柄も同じ?
2023年の1月、着物スタイルアドバイザーの方が公開している記事をたまたま見つける。顔タイプエレガントに似合う柄は何て書いてあるんだろうと見てみたら、手持ちの着物を全て着た後のこちらの記事には身に覚えがありすぎた。
「柄が大きい、無地場に対して模様の面積が大きいもの、ひとつで存在感がある模様(ボタン、薔薇、百合など)」たしかに今までの着物を着た写真をまとめたものを眺めていると、この手の柄は気に入って何回か着ている。あとはここにも書いてあるコントラスト強め。しかしアンティーク着物の中には柄の情報量が多すぎて何タイプに合うとかちょっとよくわからないものも多い。このあたりでかなり顔タイプ着物診断が気になってしまう。
とりあえず似合う似合わないとか置いといて
2023年4月、着物イベント内で大好きなお店のコーディネートワークショップが開催されることに。アンティーク着物とイメコンが好きなお友達とワクワクしながら参加。
アンティーク着物は柄のタイプがいくつかあり、このワークショップでは「アンティーク着物が好き」というふんわりした好みではなく、「アンティーク着物のどの柄のタイプが好きなのか」が解り、どの柄のタイプとどの柄のタイプがコーディネートとして相性がいいのか理解が深まる、というもの。(もっと内容盛沢山だったけど!)
アンティーク着物と一括りにしがちだけど、その分類は現代の洋服と同じでふんわりかわいい系から尖り気味かっこいい系まで様々。言われてみればそれはそう。
置いといた似合う似合わないがここで戻ってくる
どの柄が好きかがわかる診断結果は、私もお友達も大正ロマンタイプとアートスタイル柄タイプの組み合わせが大好き。しかし、同じアートスタイル柄の好みから決定的な分かれ道ができる。顔タイプキュートのお友達はアールデコタイプ、顔タイプエレガントの私は構成主義やアバンギャルドなコントラストが効いた柄に辿りつく。(でも最近気にになってきたタイプだからあまり持っていない)
お互い好きな柄のジャンルがあり、自分に似合うものを選ぶために常に模索しているけれど、既に自分の中で気づいている答えでもあったのかも。これは完全に顔タイプに合うものだった。
このワークショップはイメコンとは全く関係ないけれど、深く納得することばかりで参加して本当に良かった。気に入っているのにしっくりこない着物のアドバイスももらったら、後から考えてみればその着物は顔タイプ的には外れているものだった。これはおもしろくなってきたぞ…!
もう顔タイプ着物診断ができる知識がほしい
顔タイプ着物診断受ける?
ワークショップの内容がおもしろすぎて手持ちのアイテムの見方が変わったところで、これから何をどう選んでどう着ようか。
ある日、イメコン好きなもう1人のお友達とお茶をしばきながらイメコン談義をしていた。彼女は私とイメコンスペックがほぼ同じなのにファッションの傾向やイメージがまるで違う。本当におもしろい。
同じ顔タイプあるあるを語り合いながら「過去にイメコン講座に参加しておもしろかったよ」という話を聞く。そんな楽しそうなものがある!あったら参加したいが、まあそんなタイミングよく開催の情報が見つからなかった。いつどこでやってる…?
しかし普段の洋服での診断結果については、受けてから一年過ぎてようやく租借できるようになってきたところだったので、今度は着物での知識も欲しい。
顔タイプ着物診断を改めて受けて着物用のアドバイスをもらおうか…でも私が着たいのはゴリゴリのアンティーク着物なので欲しいアドバイスをもらえるのかもわからなかった。
前述したようにアンティーク着物の括りの中でさらに好みの柄の系統があるので、マニアの細かい趣味をどう伝えればいいんだ。アンティーク着物はいわゆる一般向けはしにくいので、そこを受け止めてくれるアドバイザーさんはいるのかな。どうやって探せばいいんだろう。
(現代着物とアンティーク着物では着る人の性質がかなり異なる。それぞれのお店にも壁みたいなものがあるのはよく感じる。)
もう考えることを辞めた
県内では顔タイプ着物診断をしているアドバイザーさんがいなかった。受けるにしても遠出することになるし、ここまで知りたい何かがあるならもう顔タイプ着物アドバイザー1級認定講座受けに行こう。自分ができる側の知識を得ればよろしいのです。ここまできたら曇りなき眼。
自分の結果だけであれば診断を受ければいいのだけど、違う顔タイプの特徴についてもとても興味があった。
人からの印象が違うことがあるのは何でだろう。お友達と着物を見ていても「それ可愛いね似合うよ」って私は何を根拠に言ってるんだろう。ありがたいことにいろんなところでスタッフとしてお声がけいただける機会もあり、知識があったほうがためになる場面がかなり多かった。
認定講座を受けに行く
自分のイメコンスペック復習
おもしろかった…なんかもう講座開始前の時間からおもしろかった。
講師の真壁しおり先生は着物愛のかたまりのような方で、イメコン研究と美しい着姿研究にとても熱心。顔タイプ着物診断の講座内容はもちろん、先生から次々出る小話がおもしろすぎて、私はずっと頷きっぱなしだった。「〇〇タイプはこんな方が多いのよね」ウワ~!めっちゃわかる~!「山さんはエレガント?」「骨格はストレート?」「ブルべ冬?そうよねどブルべよねぇ」座っているだけでどんどん言い当てていく。
講座ではまず自分の顔を実際に測り、自分の顔と向き合わなくてはいけない苦行の時間があるのですが、ここにきて自分の顔がエレガントとアクティブキュートで判断が難しいところが出てきた。エレガントのくせに顔がとても丸いので、迷ったときに正面から改めて顔を見てもらうとその場にいた皆さんが「アクキュか…??」と迷う数秒ができる。先生は二度も立ち上がる。(でも帰ってから復習して、どっちかというとエレガントな結果にはなりましたよ)
顔タイプ診断をしてもらった時に結果を迷われたかはわからないけど、その時に事前のアンケートでは着たい服とかなりたいタイプとして「大人かわいい」とか「エレガント」と書いたと思う。大人かわいいというのはいわゆるフェミニンタイプの服が好きだからだけど、エレガントという言葉はあまり深く考えずに書いてしまったワードだった。イメコンでいうエレガントは思ってたよりイイ女系だったので少し戸惑ったのを覚えている。
なりたいイメージや、職業、年齢、どこに着ていく服を想定しているかを総合してアドバイスしてくださったのだとよく理解した。
顔タイプ着物診断の講座について
本当に勉強しにきて良かった。以前ネットで見た着物スタイルアドバイザーさんが公開していた記事への解像度が爆上がりした。それぞれの顔タイプに似合うものを文字だけの情報だけではやはり理解がしきれないから。
記事を見て、小物までそんなに細かく指定されてしまうの?と思った人もいるかもしれない。でも、講座を受けてから小物の似合わせってかなり大切なんだと実感した。顔タイプがバラバラの方に同じ小物を合わせたら、全然違った。
子供顔の方に似合っていた玉簪は、大人顔の方に合わせると浴衣のときのようなカジュアル感が増し、ほっこり素材になるとみんな黙って「う~ん…??」となる。「カルチャー教室で作ったやつをそのままつけてる感じ」という先生のお言葉が実に言い得て妙だった。わかる。心当たりがありすぎる。
似合う着物の柄というものについてもとても納得。アンティーク着物の色柄を見すぎていると、現代訪問着はシンプルで正直大差ないように見えていた。全然違った。
講座を受ける前、色無地は自分のパーソナルカラーで選んだ方がいいんだろうかとふんわり思ってた。全然違った。
似合いにくいタイプを合わせてみたら、わかりやすく老けたし顔がくすんだ。顔タイプからくる似合う素材感とイメージに合う色、柄、大切。
じゃあ自分のスペック外したものは着れないのか?
自分の似合うタイプじゃないものは着れないのかと言われれば、もちろんそんなことはない。
洋服のほうの診断だと、診断結果を聞いたらみんな「着ていた服全部捨てます」と言うそうですね。それ私も言った~!
着物はそうはいきません。
着物の場合は受け継いだ大切なものだったりしますよね。それは顔タイプと違うことも多い。ではその人に似合わせるにはどうすればいいか。
「それを着る人にどう似合わせるか、これが私たちの仕事です。」という先生のお言葉が深く印象に残っています。
似合うものを深掘りするために認定講座を受けに来た私にとってはなかなか壮大な話ではありましたが、「着る人にどう似合わせるか」は知りたかった答えなのです。受講しにきて本当によかった。
顔タイプ着物アドバイザー1級を取得してから
着物ならではのアイテムが選びやすくなった
一番大きな変化といえば、さらに買い物しやすくなったこと。さらに選びやすくなったこと。
自分が顔タイプ診断を受けた時から情報を整理しながらコーデを組んではいたのですが、細かいところまで行き届かなかったところがあるんですね。小物です。
残念ながらある時は消去法でその日のコーデで一番マシなものを選んでいたけど、自分の「着物での得意」を知れば「こういうものを足したい」と明確な意思ができて、ただの布だと思ってた帯揚げにお金が出せるようになり、ちゃんと活用もできるようになった。2023年は活用できる帯揚げを3つ買いました。同じものばかり使ってる。
逆にあまり買い物しなくなったのは着物と帯
自分の好みで、尚且つ似合うものを探そうとなると、意外と見つからない。この花がもう少し大きければ…とか黒で縁取られてもっと毒っぽければ…とか具体的な好みと顔タイプに当てはめて考え始めたらピッタリくるものはすぐに見つからないんですよね。逆にあったらそれは買ったほうがいいと思ってます!
顔タイプ着物アドバイザーを取得してから一年
2024年9月、前編から一年経とうとしています。少しずつ書き溜めていたらやたら時間がかかってしまいました。書き溜めている間に2024年1月には顔タイプアドバイザーも取得しました。洋服選びにとても役に立っています!
不定期ではありますが、顔タイプ着物診断もしています。お洋服のほうの受講の話もまたいつか。