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【総括】2024年の洋楽はとんでもない当たり年だった
更新遅れました。
今年こそnoteに本格的に腰を入れていこうと思ったのですが、アルバムランキングとアーティストランキングに情熱を注ぎ込みすぎて、若干燃えつきてしまい、いつの間にか大晦日です。
別にそのまま書かないまま、年を越してもいいのですが、「いやぁ~今年の洋楽は最高だったよな!」っていう気持ちをただただ誰かに分かち合って欲しくて書いてる次第です。
んで年間ベストとかも作る暇は当然なかったので、ざっくり今年を総括する形で振り返っていきましょう!
2月、The Last Dinner Party デビュー
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ここ数年、ロック復権!ロックは死んだ!と右往左往してた状態だったんですけど、もう今年が「ロック復活の年」でよくないですか?
そう最初に思えたのは、彼女らがあっさり全英1位を取ったことですね。
プログレ+ABBAという、文字だけで見たら絶対ミスマッチやろという謎の図式ですが、これが案外癖になる。
2021年のマネスキン旋風までとはいかないでしょうが、刺激的な音楽なのは間違いないと思います。
んで、それに拍車をかけるように3月頃にFrikoやThe smileが音楽界隈のTLをざわつかせてましたね。
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特にFrikoは日本のインディーロックファンが求めていた理想像を完璧に描いたような気がして、意表を突かれました。
3月下旬 Beyonceの「Cowboy Carter」
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ロックは一旦置いといて、ここでビヨンセの最新作が入ってきます!
あんなに古臭くて保守的なものとされてたカントリー音楽がビヨンセの一声であっという間に新鮮なものに映るのは、まさにマジックとしか言いようがなかったです。
アメリカ独自のルーツ・ミュージックというだけでなく、黒人文化の文脈でも捉えることができるのだと教えてくれたような気がします。
それにこの後、シャブージーっていう黒人のカントリー歌手の曲が謎にチャート首位を獲って、去年のモーガンウォレン並の売れ方をしてましたね。お国柄のせいか、あまりハマりませんでしたが。
話を戻して、「Renaissance」もそうだったんですけど、ここまで巨大なプロジェクトって歴代で見ても稀に見るものですよ。
もうビヨンセという器の大きさにただただひれ伏すばかりですね。
三部作の最後、どんなジャンルになるのでしょうか?ジャズ?ブルース?それともHIPHOP?
ちょっと僕なんかには到底想像もつかないので、期待が膨らむばかりです。
ヤバすぎ4月
んで続くようにアリアナ・グランデが新作リリースして、案外批評筋からも好評を博してましたね。
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ただ僕は同時期にチャート首位を争っていたArtemisの「i like the way you kiss me」にドハマリしてました。
んでここでチャペル・ローンが新曲「Good Luck Babe!」を従えて、コーチェラで大ブレイク。
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まあミーハーなんですけど、ファンになっちゃいましたよ。
一見シンディーローパーっぽいけど、よく聞けばケイト・ブッシュで。
でもやってるベクトルとしてはデヴィッド・ボウイに近いよなあ、なんて色々考えてました。
彼女に対しての語り口ってLGBTとか政治思想とかそうゆうのありますけど、そもそもメロディーがめっちゃいいし、問答無用でパワーを貰えるんですよね。
80sリバイバルでありながら軽薄になり過ぎないインディー感覚も素晴らしいと思います。
さっきのラスディナ辺りで抱いていたロック復権が、ここで確信に変わりました。
そして彼女に加え、オリヴィアロドリゴを教え子にしてたダンニグロがもう最強ってことで確定ですね。
そして、テイラースウィフト「The Tortured Poets Department」が4月下旬にリリースされました。
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世界一のファンダムを持つ彼女のアルバムなんだから、みんな大注目。
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そして、素人でも気づいちゃうラナ・デル・レイ意識しすぎ感。
ユーミンが中島みゆきみたいな曲をやり出した感じですかね。
「folklore」とはまた違った内省さで、大人なテイラーを見せつけられました。
けれども、ここから人気がさらに上がるのか下がるのか、あんま予想がつきません。
まさかのビリーアイリッシュ覚醒の5月
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2019年、Z世代のカリスマとして一気にスターダムへ登り詰めたビリー。
正直、彼女にとってこの年がキャリアハイになりそうだなとタカをくくってました。
そして今では、そんな自分を殴りたいくらい素晴らしい作品を生み出してくれたことに感謝します。
いや、普通にやばくない?プロモーションほぼ無し、コライト無し、音色で誤魔化せないミニマムなサウンドでここまでの成果を挙げてしまうって。
少なくとも「Birds of a feather」は今年最大のヒット曲だろうし、「LUNCH」「CHIHIRO」「WILDFLOWER」もド名曲。
時代とかメッセージとか関係なくシンプルな横綱相撲で、いい曲を書いてしまえるんですから、単純に現代のソングライターとしてダントツだと思います。
そしてここまで人の心の繊細な部分をくすぐるのは、ジョン・レノンの楽曲と重なる部分があります。
なんかの番組でビリーのフェイバリットに「Julia」を挙げていて、あー確かにと思わず頷いてしまいましたね。
それに、いわゆる天才型のアーティストでここまで順調にキャリアを歩める人ってあんまいないじゃないですか。かの宇多田ヒカルだって00年代は若干低迷してましたし。
そういう観点で見ても、やっぱビリーってすげえなあと思いますよ。
Right Place,Wrong Person/RM
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なんかここ数年のKpopって平気でアメリカのモダンポップを上回ってくるような作品が出てきてるので、必死に追いかけてましたけど、もうこの作品はそういった作品すらも無に帰すようなとんでもないものでしょうよ。
RMってそもそもBTSの中でもSUGAと共に作曲面での貢献が多くて、ソロ作品も良質なインディーポップ作ってるなあと感心してたんですが、まじで今作で突然変異が起きてますよ。
現代のHIPHOP/ソウルの感覚をしっかり踏襲しながらも、アジアの民族的なごった煮感を混ぜ込んでると言えばいいんですかね。
とにかく、凄い!
んで、BTSって活動休止してから、ますます凄くなってるよねって話も出てきますよね。
去年はグクとテテがしっかりグローバルチャート首位圏内に食いこんで、今年はJiminのソロもずっと上位でしたし、じゃあそんな彼らが2025年に再び集まったらどうなんねん!という期待感もめっちゃ膨らみますよね。
2025年の洋楽バロンドールはBTSが最有力ですよ。それ以外あんま候補がありません。誰がヒットしそうですかね?
ケンドリックvsドレイク
HIPHOP業界も一気に情勢が変わりましたね。
なんだかんだRap EJさんの解説が1番わかりやすいですよね。
両者は冷戦状態だったのですが、蓋を開けてみればケンドリックのボロ勝ち。
もう『Meet the graham』の頃にはこっちがトラウマになるくらいの恐怖でしたよ。
そして翌日に、神曲『Not Like Us』をリリース。ただ相手をdisるだけでなく、みんなが踊れるダンスナンバーに仕立てるセンスは見事です。
一方、ドレイク可哀想に見えますが、まさかのケンドリックに対して訴訟をするという、松本人志をはるかに凌駕するくらいクソダサムーブカマしたらしいですね。
個人的にここ10年の四皇ってテイラー、ビヨンセ、ドレイク、ケンドリックだと思ってるのですが、ここに来て四皇の一角が崩れたイメージです。
チャーリーxcx『Brat』
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今年の大本命。
もうエレクトロの作品が当たり前にAOTYとかに挙げられる時代になって久しいですけど、それでもここまで飽きずにノれるアルバムってなかなかないですよ。
しかもジャージークラブを使った最新鋭のビートもあれば、2008年頃のワクワクするEDMの音色とか、アシッドハウスをモダンに改造した楽曲もあるっていう、色んな世代に刺さるよう工夫されてますよね!
ここまでビルドアップ→ドロップの手数が多くて、そのどれもがパワフルって無敵じゃないですか。
それにT4,9,14辺りのように内省的なナンバーも作れるのが強みですよね。
めっちゃアガれるしめっちゃチルいってやつですよ。
エレクトロのアルバムって前半ぶち上がれるけど後半聞き疲れる系か、全編通して地味系の2パターンに振れがちなイメージがあるんですけど、こうゆう構成力まで抜群な人ってそれこそダフト・パンクとかくらいかもしれません。
んでリリース当初からそういう文脈で評価されてたんでしょうけど、夏頃からSNSで一気に流行ったらしいんですよ。
「Brat summer」とも呼ばれて、島国に住む私はこの現象がよく分からず必死に記事を漁りましたよ💦
どうやらbratは本来クソガキを指すものですが、未成熟で、時にバカなことをし、時に大失敗し、醜いエゴもある。そんなbratの不完全さを抱き締めるように受け入れよう、という価値観、なんですって。
正しさが押し付けられる社会になった中で、懐古趣味に収まらない刺激的な哲学ですよね。
これが海外では猫ミームのように流行ったっぽいです。
キャンセルカルチャーとかフェミニズムとかは変な手口で浸透するくせに、こういったムーブメントはまだ日本では騒がれませんでしたね。
でもまあ時間の問題でしょうか。
混沌の時代における究極の自己啓発のような気がします。
このムーブメントを積極的に活用したハリスが最終的に負けるというストーリー含め2024年の刹那の夏を包み込んだ思い出アルバムとして評価されてゆくのではないでしょうか。
7月 サブリナ大躍進
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なんかfeatherとかespresso辺りはスルーしてたんだけど、please please pleaseから一気に惹き込まれてしまい、そのままアルバムも超お気に入りになりました。今年だけの確変なのかもしれないけど、今のアイドルポップスの理想像だと感じます。
8月Fontaines D.C.の躍進
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80年代リバイバルがそろそろ終わりそうなこの頃ですが、一気にブリットポップの空気を甦らせたすげえバンド。別に時代とかそうゆうこと一切気にせず、ノれるなあと、鬼リピをしましたよ。
オアシス 再始動
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うぎゃああああああああああああぁぁぁあぁぁぁぁあああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ
9月 ディディ逮捕
もうHIPHOP業界の闇が凝縮したような事件ですね。まだ確定はしてないですが、2pacの殺害を命じた黒幕は恐らくこの人なのでしょう。
やっぱジャニーズ事務所みたいなことって海外でも当たり前に行われてるんですね
apt.の10月
ここで伏兵ブルーノマーズが来襲!
結果的に今年はRMがkpopの深化を推し進め、ロゼがkpopの大衆性を推し進めたように思えます!
みのミュージックが取り上げてくれたのはビックリしましたよ。
ちなみに楽曲の魅力はこちらで解説済みです↓
11月キュアー復活
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去年、ストーンズえぐすぎやろ…ってなったのに、また大物バンドが復活してくれましたよ。
文字通り、失われた世界の音がするアルバムで、徹底的にキュアーの美学が詰まってます。
00年代が無かったかのように、そのままDisintegrationを進化させたような傑作です。
リンキン・パーク復活
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うん、賛否両論あるのは分かるよ。でも賛否両論あってこそのロックだよ。リンキン・パークは最高のロックバンドだよ、うんうん。
そして、最後はケンドリックが置き土産にアルバム『GNX』をリリースしたとさ。
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○改めて総括
①女性陣、流石に強すぎる
まあこの理由に関しては僕も正直わからないです。なので変に考えずに楽しんでます。
マッチョ的な物が受け入れられなくなった…なんて理由じゃちょっと納得いかないでしょうし、そもそも安易なジェンダー論で二分できるほど、アーティストの創作活動って浅くないのでね。
② HIPHOPは実質ケンドリックの一人勝ち
HIPHOP業界って最近、若手出てないよね?
2016~19年頃って、SoundCloudから堰を切ったようにラッパーが出てたけど、亡くなってしまった人が多くいますもんね。
それにトラップビートに替わる絶対的なビートが、未だ見いだせてないのも事実です。それはそれで多様性は生まれてはいますが、ジワジワ人気が下降していってる印象です。
そしてこうして振り返ってみると、やっぱ今年はとんでもない当たり年だったと思います。このレベルは2016年以来かな。
このペースが続けば日本の洋楽離れも戻ってくると思いますよ。
ちょっと大急ぎで筆を走らせたため、雑なまとめになってしまいましたが、これで良い年越しが出来ると思います。
来年もいい年になるといいな!
それでは!