『サユリ』を観てきました。

こんにちは。
鴨井奨平です。

近所のシネコンで『サユリ』を観てきました。
面白いと評判で、どんどん世間の認知度が高まっている同作品。
私はホラー作品が苦手ですが、さすがにこれは観に行かなくては、と思って頑張りました(結果、ホラーが苦手な私でも「観ることができない」という程ではなかったです)。
以下にネタバレ有りの感想を記します。




まず私は『サユリ』を観終えて、
「随分と変な映画だなぁ……」と思いました。そして変な映画なのに(「なのに」って言ったらアレだけど)、終盤に力技で「これ、良い映画だな」と観客に無理やり思わせてくるような作品です。これは主人公の少年(南出凌嘉)の成長譚として物語が作られているのも一つの理由なのではないかと思います。
『サユリ』って、ジャンルは何になるんですかね。「ホラー」ではない気がします。「ジャンル不明」みたいな映画が最近はトレンドなのでしょうか。

しかし一方で、名作ホラー映画には「世を生きるための教訓」みたいなのが必ず込められていて、『サユリ』にもそれがテーマとして表現されていました。
その内の一つが、「憎悪は呪いとなって、時を越えて赤の他人の命を奪うこともある」ということだと思います。
なのでその憎悪を浄化しなければいけない。
別にこれは「オカルト」的な話ではなく、現実的な問題で考えれば、世界中で行われている紛争・戦争、種々の対立にも当てはまることだと私は考えております。
そしてもう一つが、「どんな時でも命を濃くして生きようとしなくてはいけない」ということ。ここでのポイントは、「命を濃くして生きる」ではなく、「命を濃くして生きようとする」という点だと思います。
『サユリ』の主人公(南出凌嘉)とその祖母(根岸季衣)も、「陽のエネルギーに溢れている」ワケではなく、厳密には「そういう風に振舞っている」に過ぎないと私は考えています。
しかしそれでも、人生の困難に立ち向かうことはできる。

『サユリ』がここまで人気作品となったのは、こういったテーマが明確だったのも理由の一つだと思います。
あと、シンプルにおばあちゃん(根岸季衣)のキャラが良い。

『サユリ』はどこまでその人気を広げることができるのでしょうか。

今回はこのへんで筆を擱きます。

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