長和琢也
けめたんとの会話で自分を再確認する人の話です
静かな病室 回復期リハビリ病院の病室で、夜の静寂が深まる。 53歳の隆也がベッドに横たわり、自分の状態について考え込んでいた。 右半身全体にマヒが残る彼の心は、混沌とした感情に揺れていた。 隣のベッドでは、右足の膝から下を切断した同い年の男性が静かに横になっている。 内省の時間 隆也は、右手右足が動かない自分の状況を静かに受け入れようとしていた。彼は自分ができること、できないことを考え、心の中で葛藤していた。 立ち上がれるが歩けない、移動は車椅子。 右手右足はぶらりと
はじめに 好子はよく冗談めかして言ったものだ。「死ぬる薬をくださいや」と。介護士はいつも笑いながら答える。「冗談はやめてくださいよ、そういう薬はないんですよ」と。好子は笑って、「薬ないんかね、それなら仕方ないのう」と返す。そんな彼女の心は、静かに過去を思い返していた。 今日は土曜日。息子夫婦が訪れ、洗濯物の入れ替えをしている。孫夫婦と曾孫も来て、施設のカフェで談笑している。好子の車椅子で曾孫が遊んでいる間、彼女はカフェの椅子に座っている。 けめたんと好子の深い対話 けめた
はじめに 昼ご飯を終えて、リビングの東の窓から、日光が穏やかに部屋を照らしている。8歳のタカシは、お父さんと共にソファに座り込み、お母さんは食卓でお手製の装飾品を作り始めていた。ソファテーブルの上には、タカシのお気に入り、グミの袋が置かれている。 お父さんが手でキツネの顔を作り、「僕は、けめたんだよ」と冗談を言っていて、タカシは笑いながら、お父さんの手をじっと見ていました。 けめたんの登場 突然、お父さんの手から光のような霧が現れ、形を成していく。それは、けめたんと名乗る不
ほかの人に意志が伝わるとうれしいんですよね。 これ、ホモサピエンスが発展した特徴だから、人間の脳が喜ぶようにできてるんだろう。 唄や絵画、彫刻、書道も同じことだと思う。表現したいし、認められたい。 気持を伝える工夫は聞き手を増やし、話し手もよりうれしくなる。 室町時代のプラットフォーマー、蓮如の工夫は素晴らしいなと思ってる。
清濁併せ呑み、アップデートしながらも日本人の心は守りたいと思う。 多様性を持ちながら、他に類を見ない歴史を持つ国に生まれたのだから。 満足するのは善く生きたかどうか。 昔の人は頑張った。オレも頑張る、キミも頑張れ。
この世の中には、無限の選択肢があるけど、なぜそれを選んだのかなんて、分からない。他人や自分にあれこれと講釈するが、実はその深い理由はないことに気付いた。 結局、自分の選択は元来持っている資質から離れられないし、離れない方がストレスなく生きられると思っている。 幸せな生き方は、生まれた時にある程度決まっていると思う。