必要は発明の母
1 13日からコロナ・パンデミック下で要請されていた屋内でのマスク着用が原則として個人の判断で自由に行えるようになった(注1)。
注1)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00001.html
世界が「コロナ下」になってはや3年が過ぎた。この間に私もワクチンを4回接種し、いわゆる「飲み会」に一度も行かなかったりと人並みに気を付けたせいか、今の所は新型コロナウィルスの症状が出ていない。
PCRと抗原検査をそれぞれ1回ずつ受けたが、いずれも「陰性」だった。ただ、それは勿論私がこの3年間一度も新型コロナウィルスに感染しなかった事を証明するものではないし、症状が出なかったのは本当に運が良かっただけだと思っている。
マスクの着用を個人の判断に委ねる事の当否はそれぞれ意見があろうかと思うが、世界は新型コロナウィルスを克服したわけではなく、感染時に命に関わる危険性が依然として存在する事を考えると、私個人としてはマスクの屋内での着用は続けた方がいいと思う。
ただ、再び「コロナ・パンデミック」が起こるリスクが消え去っていないにも関わらず、世界の趨勢は「コロナ下」の「非日常」から「ポスト・コロナ」の「日常」へと移行しつつある事は間違いない。
日本よりもいち早く行動制限を解除した欧米では街中でマスクを着用している人々はほとんどいないそうであるし、BA5対応のワクチンも従来株のウィルスに免疫がある人にとってはプラシーボくらいの効果しかないという報道もあるくらいである(注2)。
注2)https://news.yahoo.co.jp/articles/1a9842b65b9411438f4f0cee613c9df693de06af
日本も含めて世界中がワクチンを奪い合っていた頃の事を思うと隔世の感があるが、やはりワクチンも社会から必要とされなければ、開発に向けてのインセンティブが激減してしまうという事なのだろう(ただし、上の記事はサンプル数があまりに少ないので、はたして医学的に見て正確な情報と言えるのかはまだ分からない)。
2 さて、話は日本中が「プリセスクルーズ」号をめぐって大騒ぎしていた3年程前に遡る。
当時欧米ではフランスでロックダウン(都市封鎖)がなされ、アメリカでも貧困層の人々が新型コロナウィルスに感染しても治療を受けられないまま死亡する事態が多発し、問題になっていた。
実際、人々が日々「生きるか死ぬか」という状況に置かれている中では、BJJの道場に通うというような精神的・金銭的な余裕が生まれようはずもなく、ほとんどの道場がクローズドになっていたようである。
マルセロ・ガルシアが彼のアカデミーの全会員に向けて、「JIUJISTU辞めてもいいから、メールで安否だけでも知らせて欲しい」とアナウンスしていたのが強く印象に残っている。
それと並行して、「コロナに負けるな!」という趣旨の下に、各種の教則動画のオンラインサイトも無料で動画を配信していた。
特にBJJfanaticsは、クレイグ・ジョーンズの「トライアングル・マシーン」が無料で配布されたのを皮切りに、トム・デブラスの教則が1本(何を選ぶかは各人の自由。以下、同じ)、$77以下の教則が1本、B・ファリアの教則が1本と毎月無料で教則を配布していた。
ワクチン接種が軌道に乗って以降は、ジョン・ダナハーやトラヴィス・スティーブンスの「ソロドリル」教則が恒常的に無料で配布されていた位だったが、昨年アメリカで行動制限が解除された後は、fanaticsのそうした教則の配布も終了している。
そうした中で、過日fanaticsから「ゴードン・ライアンの『ギのパスガード』教則が今なら無料で入手できます」というメールが届いていた(注3)
注3)https://bjjfanatics.com/products/high-percentage-gi-passes-by-gordon-ryan?utm_source=Klaviyo&utm_medium=campaign&utm_campaign=New Release&triplesource=klaviyo&_kx=S5hR6u4Z7XKiUHdu4R_Ja7Bbu_eadRBhXJNMzolwFUr_5oEZf5parryLfLAME-Bk.PVdeZu
BJJfanaticsのサイトで検索してもこの教則は出てこない。興味のある方は今のうちに入手しておくことを強くお勧めする。
私はそのメールを読んで、fanaticsで久しくこういう企画がなかった事に気付き、先にコロナ下で数多くの教則が配布されていたのを思い出して、「ああ、世界は「ポスト・コロナ」の「日常」に回帰しつつあるんだな」という印象を強く受けた。
手洗い・うがい等コロナ下で各人が身に付けた感染症対策に有効な習慣や経験を生かしつつ、今後は「ポスト・コロナ」の「日常」を送っていこうと思った次第である。