四十にして立つ


はじめに


 今回はジョン・ダナハーの「Self Mastery: Solo BJJ Training Drills 」からSupine HeistingHip Heistingを取り上げて、その解説をしたいと思う。

 Supine HeistingHip Heistingは、いずれも「寝た状態から起き上がる(立ち上がる)」という点にmovementとしての特徴がある。

 確かに、ブラジリアン柔術(BJJ)においては、グラウンドの展開が9割を占めている。だからと言って、一度下になったら「スイープ」(や「リバーサル」)しない限り起き上がってはいけない、というルールは何処にもない。
 「エスケープ」だけでなく、「ガード」ポジションにおいても、自分が不利だと感じた時は迷うことなく「立つ」という選択肢がある事を本稿を通して書いてみたい。

 先に「寝た状態から起き上がる」と書いたが、文字通り「仰向けから上体を起こす」わけではない。
 サイドコントロール下で抑え込まれた状況で上体を起こしても疲れるだけだ。
 寝た状態から「起き上がる」(Supine Heisting)あるいは、「立ち上がる」(Hip Heisting)のも立派な技術であり、そうした技術をマスターするにはやはりドリルをこなす必要がある。

Supine Heisting (Solo BJJ Training Drills vol.2 0:00~)

 
 早速Supine Heistingの説明に入ろう。

ここから先は

4,152字
この記事のみ ¥ 100

宜しければサポートお願いします! 執筆の励みになります。