サウロ・ヒベイロ『柔術大学』-青帯-
1 本稿では、前回に引き続き『柔術大学』の青帯の章について概観し、そこに現れたサウロの柔術観を考えてみたい。青帯の章は、「青帯の秘密兵器:エスケープ」という見出しから始まっている事からも分かるように、「エスケープ」に焦点を当てた内容になっている。白帯の章で述べられた「サバイブ」と「エスケープ」がサウロの中で密接に関連している事を理解する一助になれば幸いである。
2 「エスケープ」するとはどういう事か?
私が「エスケープ」について語るとき、悪いポジションやサブミッションから脱出する能力について言っている。柔術では4つの基本的なサバイバルポジションがある。マウント、バック、サイドコントロール、ニー・オンベリーがそれだ。
悪いポジションから脱出する能力が柔術の要であるけれども、同様に君は容赦のないサブミッションからも逃げなければならない。だから私は、テクニックの仕組みに重点を置いてサブミッションエスケープも指導している。
このようにして、1 つのエスケープを複数のエスケープに適応させることができる。 100の異なるアームバーのバリエーションをエスケープする方法を知る必要はないが、アームバーのエスケープがどのように機能するかの仕組みを理解する必要がある。
「エスケープ」と「サバイバル」は、柔術において攻撃するための基礎となる。もし、相手が君を悪いポジションにキープする事やサブミットして終わらせることが出来ないと分かっていれば、君は自信をもって相手を攻撃することが出来るだろう。
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