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#190:ショートショート『送機嫌サービス、はじめました』
「AIショートショートクリエイター見習い」活動が楽しいです。
#188のショートショート『不機嫌貯金』に関して、機嫌の送金「送機嫌」というアイデアを知人からいただきました。
早速行ってみましょう!
ショートショート 「送機嫌サービス、はじめました」
町の片隅にある「不機嫌銀行」は、今日も静かに営業していた。人々が小瓶に不機嫌を詰め、受付に預けていく。しかし、ある日、常連客のマサコがふと受付係に尋ねた。
「ねぇ、機嫌を預けるんじゃなくて、誰かに“送る”ことはできないの?」
受付係は困った顔をした。「えっ? 送る?」
「だってさ、今日すごくいいことがあったのよ! でも、帰ったら夫が機嫌悪そうで、それを見てたら、こっちまで萎えちゃうのよ。せっかくのご機嫌、どこかに送れたらいいのにって思って」
その発想に支店長が飛びついた。「面白い! よし、新サービスを作ろう! その名も…“送機嫌”サービス!”」
こうして、不機嫌銀行に新機能が追加された。
【送機嫌サービスとは?】
自分の機嫌を小瓶に詰める
誰か宛に送る(匿名も可)
相手が受け取ると、ほんのり温かい気分になる(副作用なし)
最初は半信半疑だったが、試しに使ってみた人々は驚いた。
「娘に送ったら、久々に家で歌ってた!」
「部下に送ったら、今日のプレゼン、めちゃくちゃ調子よかったみたい!」
「お隣さんに送ったら、玄関に手作りクッキーが置かれてた!」
こうして、「送機嫌」はじわじわと流行し、町中がほんのり明るくなった。
一方で、不機嫌常連客は文句を言った。「なんか納得いかないなぁ…不機嫌を預けに来たのに、みんな上機嫌なんて!」
支店長はニヤリと笑った。「それなら、“送機嫌”を試してみるといいですよ。ほら、一度送ってみたら?」
恐る恐る不機嫌常連客が、自分の“微妙な機嫌”を詰めて、試しに受付係に送ってみた。
すると――なんだか、心がふっと軽くなった。
「……あれ? なんかちょっと、いい気分かも」
こうして、不機嫌銀行は「送機嫌銀行」と名前を変え、ますます賑わうことになった。
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《私について…》
私は『ジブントリセツ作成サポーター』として、人生の節目節目でライフキャリアに悩む女性が自分らしい生き方をかなえるためのサポートをしています。
noteペンネームは「さいた みこ」、ジブントリセツサポーターとしては「しみず えみこ(=しみこ)」として活動しております。