間話
5年ぶりに友人のラーメン屋に行って来た。
当時お店は閑古鳥。
紆余曲折でたどり着いた煮干しのラーメンは、当時地元では受け入れられず、人気は正直無かった。
しかし、自分の出したいラーメンを作り続け、時代が追いついたのか人も入り人気店に。
1人で切り盛りしているお店なので敢えて声は掛けず、友人も忙しさからか気付いてない様子。
待っている間、近くの老夫婦がひとこと二言。
「美味しかったぁ。久しぶりに完食出来たんじゃない? 嬉しいなぁ」
と、小声で話していた。
出来れば店主に聞こえる様に言って欲しい物だが、それでは本音かお世辞か分からないだろうなと心の中で呟いた。
老夫婦が完食し、隣の若者が丼を持ってスープを飲み干す姿を見た時、友人が作り目指した答えがこれなのだと悟った。
5年前、ラーメン通ではない普通の人が飲み干せる体に優しいラーメンを作ると言っていた友人は成し遂げたのだ。
継続する意思と胆力に尊敬の念を込めて.....
ご馳走様。
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