A Clean Well-Lighted Place"(清潔で明るい場所)の日。
2023.6.24
洗いたての、
ぱり、と乾いた
ハンカチみたいな朝。
暑くなる、そのまえの
パン種が発酵して
ふくらんでいくような、
かぐわかしい、空気。
深呼吸して、庭をひとまわり。
きょうは、草取りをたくさんする予定だ。
でも、そのまえに、
すこし、遊ぶ。
庭に咲いた、
夏花さんたちを摘んで、
大好きなページの花さんたちと
会っていただく。
白いお皿にのせたら、
お花が好きな山羊にあげたくなった。
夏花サラダですよ、と。
山羊は、ほんとうにはいないけれど、
あげたい気持ちは、ほんとう。
そういう《ほんとう》も、
大切にする。
草取りをして、汗びっしょり。
隣で働く、蜂さんたちは涼しい顔。
虫さんたちは、汗をかかないらしい。
ほら、このcoolに働くお姿は
ダンスしているような軽やかさ。
そうこうしていたら、
昼近くになって、
急に、雲が湧いてきた。
より蒸して、
より、あついあつい。
でも、種蒔き風船かずらさんに
支柱を立てたいなあ、
よし、もうひとがんばり。
シャワーを浴びて
バスに乗って、町に出た。
お腹が空いている。
→お昼ごはんを食べたい。
駅の少し手前の路地にある
好きな、ちいさなカフェへ、入る。
まだ空いていて、空気があたらしい。
ランチをいただいてから、
デパートに行き、本屋さんへ。
床は、土、じゃなくて、
空気は、生温かくなくて、
ひんやり、している。
空は見えず、coolに
高い天井が、ある。
本たちは棚のなかに
整然と並び、
抜き出して、ひらけば
黒い文字たちが、美しく
静謐に、刻印されている。
紺色のベストを
白いシャツに合わせた
店員さんたちは、
なぜか、みな
眼鏡をかけていて、
すいすいと、しごとをしている。
ここは、けっして
山羊や蜂にはなれない、
《ヒト》を、寛がしてくれる
ヘミングウェイ言うところの
A Clean Well-Lighted Place"
(清潔で明るい場所)
で、ある。
庭から離れる時間も、良い。
そんな日の夕暮れは美しかった。
また、明日も。