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庭の朝食会、の日。


2023 2.19

庭には、だいたい
独りで来ている。

だから、食事は
当然、独りで食べている。

初老の、月に2度くらいの
庭しごとなので、

さまざまに作業すれば、疲労困憊。

調理する余力は無い。

なので、食事は
アパートで、
あらかじめ用意した
スープや煮込み料理などを

茹でブロッコリー、ディル、
ゴーダチーズ、糠漬け(胡瓜、人参)
パプリカのマリネ、にんじんのラペ、
鶏と豆のシチュー
小豆煮、味噌玉(葱、里芋、油揚げ)、
スパゲティとソース、もち麦ごはんパック、
お粥、粉末スープ。

車を運転しないので
これくらいが運搬には精一杯。


温めて、食べるのだが

ひとは、日に3度
食事をしてしまうので

滞在3日目ともなると

これは、3日目の遅い朝ごはん。
パンと味噌汁と紅茶、という組み合わせ。


野菜などは無くなり、
レトルトカレーを温め、
林檎なぞを齧じりながら

ぼそぼそと独り、
食べるのが、常である。


が、この如月の日曜日は、
3日目でありながら、

三寒四温の《温》となり、
3月なかばの陽気となった。


きらきらと明るいひかりに、

縮こまっていたパンジーの苗も
顔を上げるように花びらをひらき、

(そう、見えた)

鳥も、空から
軽やかに囀りを花束のように落とし、

空気にも、ふと
花の匂いが混じっているような

そんな気がして、

ふと、朝食を
庭で食べてみようか、と思いついた。


亡き母が、
スイートピーの刺繍をほどこした
白麻のテーブルクロスを、
庭のテーブルに敷き、

庭に咲いているヴィオラを摘んで
紅茶を淹れた。

晴レ、という名のハーブなtea
友からの、いただきもの。


一昨日、JAで、花苗を買うついでに買った
ベビーリーフで、サラダをこしらえた。

アパートから持ってきた
マッシュポテトを温めてサラダにのせた。


土だらけの、荒れ果てた庭で
食べているのは、側から見たら
《滑稽》かもしれない。

しかし、わたしは
食べているあいだ、

もしかしたら、ここに
数年後、現れるかもしれない

《こころの内側に在る庭》を、

ありありと
夢想することが、できた。

それはとても、良きことであった。

まだ、夢を見られるか?
と自問する。


朝食を食べてから、
遊歩道に面した
庭の西側の作業をした。


❶しばし、垣根がわりにしようと
こぼれ種で生えてきた矢車草の移植。

❷繁殖し過ぎた竜の髭を抜く。
そこへ、育てていたヴィオラを植える。

❸JAで見つけた
アグロステンマの苗の植え付け


アグロステンマは、
ヨーロッパでは、雑草扱いである

と、知り、気に入った。

矢車草ときっと
相性が良いぞ、と思った。


帰る時刻が近づき、
ナニモナイ如月の、

それでも、ぽつぽつと
花苗を植えている庭の
小径の写真を撮った。

去年から、落ち葉をどかさずにいた
土は、柔らかくなっている。
そこなら、すぽりと苗を植えられる。
そういう土の場所を、庭にこつこつと
作っていきたい。(今年の目標)
花がひとつ、だったパンジー。
ふたつめが咲き始めている。
ちいさな変化がうれしい。

🕯このパンジー、とても可愛い。
種を採って、苗を育てて、
来年はたくさん植えたい。


帰るころはもう、空は曇りはじめて
また、寒い如月が戻ってくる気配がした。

もうすこし、暖かくなって
日が永くなったら、

庭で夕食会もしようと思う。

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