かぶせ、包んだ日。
2023.1.21
庭にある、
強い風が吹くときだけ鳴る
小鳥の飾りがついた小さな鉄鐘の
ちりん、という音が、夜中聞こえた。
眠りながら、わたしは
予報通り、北風がやってきたと解った。
亡き母が吊るした小鳥の鐘は
風にのってくる季節の進みを
教えてくれる。
つまり、きょうは寒の真ん中の
さむい寒い日たちのハジマリ。
きのうは、寒風のなか、
体力があるうちに、と
《朝飯前》に、懸案の鉄骨9本を
結び合わせているワイヤーを
ペンチでぱちんぱちんと切りつつ、
なんとか、ひっこ抜き、
家の裏側へ、2本ずつ運んだ。
これで、視界を遮っていた
鉄の《ついたて》が無くなった。
それから、地植えしている
ローズゼラニウムの枯れた葉へ
剪り取る作業をして、朝ごはん。
午後は、夫が来てくれたので
春用の土や肥料を購入。
それから、プラスチックをかぶせて
簡単な温室をつくるモノと《藁》も買った。
蕎麦屋に寄り、
きつねうどんを食べて、帰宅。
急いで、藁の袋をあけて、
庭へ、飛び出す。
なぜなら、明日の朝は-3℃の予報で
庭に霜柱がぱりぱり立つ危険が、あるからだ。
(来週水曜日は、-6℃まで下がるらしい)
植えたばかりのパンジーに
落ち葉ブランケットに加えて
藁を足してみる。
ひたすら、かぶせて
包むようにして、
藁が飛ばないよう、
石や枝を置いていく。
午前中、枯れた茎を剪った
ローズゼラニウムにも藁をかぶせ、
プラスチックなドームを上から置いた。
やれやれ、なんとか間に合った。
暮れて、ぐん、と冷えて
夕空が、美しかった。
夫と、近くのrestaurantに行って食事をした。
庭へ帰って、夜を仰いだ。
満天のふゆの星たち。
布団に入ったら、すぐに眠った。
戦争とか、ひもじいとか
寒いとか、電気高くて暗い、とか
restaurantも無くなる、とか
星が消えるような爆撃の夜とか
花より、芋を植えろ、とか
(どちらも植えたい)
絶対いやだ、と
夢の入り口で思いながら。