飛行機から見た古墳群
週末に一泊で那覇市に行ってきた。ANAのSFC修行の一貫である。ただ行って帰るだけでは虚しいので、10年ほど前に時々訪問したビストロにお邪魔した。週末の沖縄は雨予報、現地の人によるとそろそろ梅雨入りと思っていたのに、予想外に晴れた。
翌日曜日は昼前の飛行機で大阪伊丹空港に帰る。真昼間で快晴だから地図を見る様に地上の様子が窺える。高知から徳島を抜けて、左手に淡路島を見ていると、すぐに和歌山市上空に差し掛かる。これまた一昨日まで行っていたところなので、和歌山城から泊まったホテルまで詳細に見えている。
大阪との境の山を越えるとすぐ左手に関西国際空港島が見える。
そうして期待しているとまずは百舌鳥古墳群が見え始め、国内最大の前方後円墳 大山陵古墳(仁徳天皇陵)と陪塚が見える。百舌鳥古墳群である。
大山陵の手前は百舌鳥耳原古墳。飛行機は海沿いから徐々に内陸に移動して葛城山系に近づく。すると真下に今度は、古市古墳群が見えてくる。ここでは後円部が東を向いている古墳が3つ4つ並んでいる。中央の一際美しい前方後円墳は伝日本武尊(ヤマトタケル)の白鳥陵古墳である。
白鳥陵の東には西浦白髪山古墳が、西側には高屋築山古墳が見える。そしてすぐにその北側に巨大な前方後円墳が大山陵古墳と上下逆向きに現れる。誉田御廟山古墳(応神天皇陵)である。木々が生い茂りやや形態は不明瞭である。
ほんの数分でわが国を代表する古墳群を上空から眺めることができる。もし、東京羽田からの便であるならば、代わりに奈良県広陵町の馬見古墳群を上空から見ることができるであろう。
考古学ファンにはこの様に大阪伊丹空港着陸前はワクワクする光景が楽しめるのである。
故森浩一氏の著書には戦後初めて飛行機で前方後円墳を観察した時のことが記されている。全くここまで巨大な前方後円墳は上空からしかその形態を確認するすべが無いのである。
昼間の大阪行きに搭乗される考古学ファンの方は是非着陸前に窓際に貼り付いてご覧あれ。