見出し画像

珊瑚の楽園 第一の零

--あらすじ--
小さな海沿いの街
ささやかながらも幸せに暮らしていた私たちは
ある日、事件に巻き込まれ母を亡くしてしまう。
父は自責の念にかられ酒に依存する。
そんな父からの暴力を受け止め続ける樹紘
元々精神的に弱かった花は、
目の前で起こる現実を受け止めることが出来ず
夢の世界に縋り始める。

"崩れていく"

見て見ぬフリを、続けるしかなかった。
これは
そんな私の
情けない日々を綴ったものである。


"波の音を聞いた事がありますか"

"薄暗い砂浜で。濃い霧の中で"


"だんだんと人がまばらから増えていって
重低音がリズミカルに心臓に響くんです"



"今朝、海岸でパーティーがあったでしょう"

少女はそう答えたが
私たちは誰もその出来事を知らなかった。



マカロニ

いいなと思ったら応援しよう!