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クモの糸2

きつい日射しだった。
木陰で汗をぬぐいながら、
小さな青い実を見上げていた。
そよ風が通り抜け、
木の葉がゆらゆらゆら・・・・・・
そのとき、目の端が微かな彩りをとらえた。
ピンク、オレンジ、ブルー、・・・・・・
光の帯が伸びたり縮んだり・・・・・・
陽光に照らされたクモの網。
ゆらゆら揺らぐ光彩。
身じろぎすると、
たちまち消え去ってしまいそうで、
息を詰めるようにして、
見守っていた。
天から、ぼくへのプレゼント?
そんな乙女チックなフレーズが浮かんで間もなく、
宙に吸い込まれるように、
すうっと光彩が消えた。
西に傾きかけた太陽が雲の層に入ったのだ。
天気は下り坂らしい。



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