逆質問を制する者は、面接を制す
逆質問とは
就活の面接には必ずと言っていいほど逆質問をする時間が設けられている。
言葉の通り逆質問とは、「通常の面接官から就活生への質問とは逆に、就活生から面接官にする質問」のことである。
よく面接官は「ざっくばらんに何でも聞いてね」、「NGはないよ」などと口にするがこれらは方便であり、逆質問もまた選考の一部である。
中には1時間の面接に対し15分だけガクチカ・志望動機の確認があった後、45分間も逆質問の時間がある会社もある。逆質問は面接において、ガクチカ、志望動機と同じように時間をかけ対策すべき重要な項目だ。
この記事では逆質問の裏にある意図を考え、攻略方法を解説していく。
逆質問の目的
なぜ逆質問があるのか想像してみよう。面接官の立場で考えてみると以下の2点が想像できる。
①就活生の疑問を解消する
②就活生の(志望度)企業理解度を量る
③時間をつぶす
①就活生の疑問を解消する
多くの就活生はこれが本来の目的であると考えているだろう。もちろんその考えは間違っていない。面接の中で感じた疑問を解消してもらうことはミスマッチを防ぐという文脈で企業にとっても重要である。
とはいえ、面接において「ぶっちゃけ話」が聞けることは多くはない。人事部の社員の場合は言うまでもないが、面接官の多くは面接の場で自社の評判を落とす発言はしないだろう。
逆質問をする際に意識したいことは次の面接に繋がる質問をすることである。しっかりと準備をし、聞きたい内容を明確にして臨むことが重要だ。
②就活生の志望度を量る
この②就活生の志望度を量るこそが就活生が見落としがちな逆質問の目的である。
面接官からすると、この質問さえすれば、就活生がどのくらい会社のことを調べているのかがわかる魔法の質問なのだ。しかし、多くの就活生はこの点を見落としがちである。
例えば、離職率や育休取得率がホームページ上に乗っている企業の面接で「離職率は高いですか。」、「育休は取れますか」と聞くのは、会社のことを良く調べてないと自分で言っているようなものでありナンセンスだ。(そもそもこの質問自体が業務とかけ離れておりあまりよくないのだが、それは後述する。)
もしどうしても離職率や育休取得について知りたいのなら、「離職率はホームページでは20%と拝見したのですが、やはり業界内での転職が多いのでしょうか。」など、情報をもとに仮説を立てて聞くことが必要である。
逆質問は志望度をアピールする場だと心得て入れば、その日のニュースやプレスリリース等に絡めた質問を準備することができ、結果、高評価を得ることができる。
③時間をつぶす
解説は不要だと思うが、この目的で逆質問の時間を設ける面接官も存在する。この場合は評価が両極端の場合が多い。評価が高く通過が確実な場合と評価が低く落選が濃厚な場合だ。
前者の場合は、面接内で通過が伝えられたのちに逆質問の時間が設けられることもある。この場合は墓穴を掘らないことを意識しながら、会話を楽しめれば上々である。
後者の場合は、よく勘違い就活生を生む原因となっている。逆質問は圧迫面接にはなりえず比較的会話ベースで進むことが多いため、就活生からしてみても上手くいった面接と勘違いしやすい。しかし、実際には、それまでの評価が低く面接官が時間をつぶしている状態で、面接後いくら待っても通過連絡が来ず、「うまくいったのにおかしい」と不満を口にする就活生は多い。面接官からしてみれば圧迫面接は非常に体力を消耗する過酷な労働時間の一部なのに対し、逆質問は頭を使わずに済む就業時間内のサービスタイムなのだ。この場合は逆質問で評価を覆すことは難しいだろう。
逆質問テクニック
逆質問の目的を理解したところで、実際に何を聞けばよいのかわからないという人も多いだろう。IRやプレスリリースを読み込めば必然的に疑問点が浮かび上がってくるものだが、本当に行きたい会社でなければそこまでの時間と労力を割けないことも多い。そんな人に少しでも参考になればと思い、以下のテクニック(テクニックというほどのものでもないが)を紹介する。
①面接官の経歴を聞く
皆さんも、居酒屋で後輩に過去の武勇伝を語っているおじさんを見たことがあるだろう。(もしなければ新橋あたりに行くと必ず観測できる。)彼らに共通するのは自分の功績を他人に語りたいという特徴だ。(かく言う私も就活の体験記を後輩あてにつづっているおじさん予備軍なのだが。)この特性を生かして、面接官を気持ちよくさせるのが「面接官の経歴を聞く」というテクニックだ。簡単な経歴を聞いたのち、自分もその部署に興味があることを示し、どうすれば活躍できるのか、などを聞くと良い。
就活生からしても、ホームページに載っているようなロールモデルではない、1人の普通の社員のキャリアを知ることができるのは有益であるし、ポロっと貴重な情報が得られることもある。
また、自分のことになると話が長くなる面接官も多く、逆質問の対策まで間に合わず、時間をつぶしたい人にもおすすめだ。
②自己アピールをする
逆質問も面接の一部なのだから、少しでも自分を良く見せようとする意識が必要で、自己アピールの時間として活用することもできる。ここでは2つの自己アピール方法を紹介しよう。質問での自己PRと逆質問をやめての自己PRだ。
質問での自己PRとは、質の高い質問をすることで自身の志望度や知識量、会社とのマッチ度をアピールする方法だ。ここで注意したいのは「答えを知りたい質問を聞く必要はない」ということだ。
例えば、普段から日経新聞を読んでおり、競合他社がとある戦略を打ち出したことを知っていたとしよう。たとえその戦略発表の影響を知っていたとしても「そういえば先日、日経新聞でこのような記事を目にしたのですが、、、」と質問をすれば、普段から日経新聞を読む人なのだと好印象を持ってもらえる。面接官に自分の持っている情報を伝えるという意識で質問を考えてみると良いだろう。
他にも、自分の強みを要約したうえで業務に活かせるかを聞くなど方法はいくらでもある。ただ1つだけ注意してほしいのは塩梅だ。あまりにも情報をひけらかしすぎるとただのイキリ就活生と思われてしまう。就活生のアクセスできる情報など社員が持つ1次情報には到底及ばないことは明らかなのだから、あくまで謙虚な姿勢を保ったうえで、自然な流れで自己PRすることを意識して欲しい。
逆質問をやめての自己PRとは、文字通り逆質問をせずに自己PRをする方法である。「逆質問はありますか」と言われた時に「最後に面接の中で伝えられなかった思いを伝えさせていただいてもよろしいでしょうか。」と切り返し、自己PRをするテクニックだ。
私はあまり実践したことがないが、特に最終面接で有効なテクニックと言えよう。面接官が自分の話したいことを深ぼってくれるとは限らない。そんなときは少し無理やりにでも自分の思いを伝えるべきだ。この際、あくまで逆質問の時間であることは念頭に置くべきで、申し訳なさそうなそぶりを見せることも重要だ。あくまで私個人の体感ではあるが、こうしたガツガツした就活生を歓迎してくれる面接官は多い。
また、面接官から「最後に言い残したことはありますか」と聞かれることもある。会社との接点や志望度の高さを伝えられるように事前に準備しておこう。
最後に
繰り返しになるが、逆質問は面接において、ガクチカ、志望動機と同じように時間をかけ対策すべき重要な項目だ。そのことを認識したうえでこの記事を参考に対策をすれば、逆質問の覇者となれることは間違いない。
また以下で紹介しているワンキャリアというサイトも助けとなるだろう。
最後まで読んでくれてありがとう。
他にも就活に関する記事を多数書いています。以下の記事もぜひ参考に!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?