見出し画像

3日目|計画:ユニバーサルデザインとバリアフリー

〜全員が気持ちよく使える設計って?ユニバーサルデザインとバリアフリー〜


1. ユニバーサルデザインとバリアフリーは何が違う?

⚫︎ バリアフリー:あとから障害を取り除く設計
例:階段しかなかった入口に、後からスロープを設置
⚫︎ ユニバーサルデザイン:最初からみんなが使いやすい設計
例:入口は最初から段差をなくして、自動ドアを設置


2. ユニバーサルデザインの7つの原則(必ず試験に出る!)


① 公平性(みんなにやさしい)

誰でも同じように使える設計。
例:多目的トイレや、車いすでも通れる自動改札機

② 使いやすさ(迷わない)

使い方が直感的でわかりやすい設計。
例:押せば開く自動ドア、トイレのピクトグラム

③ 安全性(間違えても大丈夫)

失敗しても事故になりにくい設計。
例:非常口は「押すだけ」で開くドア

④ 体の負担を軽くする(ラクに使える)

力がいらず、疲れない設計。
例:レバー式水栓、エレベーター

⑤ ちょうどいいサイズ(誰でも届く)

手が届きやすく、体格を問わない設計。
例:低めに設置されたエレベーターボタン

⑥ 情報が伝わりやすい(見て、聞いてわかる)

複数の方法で情報を伝える設計。
例:電車の案内は「音声+電光掲示板+点字ブロック」

⑦ 広くて通りやすい(ゆとりのある空間)

誰でもゆったり通れる設計。
例:広い通路や、ベビーカーも通れるエレベーター


3. バリアフリー住宅のポイント(ここは試験の鉄板)


バリアフリーは、「住宅に特化したユニバーサルデザイン」と考えるとわかりやすいです。試験では特に数値が問われます。
⚫︎ 玄関の段差は2cm以内(つまずき防止)
⚫︎ 廊下は75cm以上(車いすなら90cm以上が望ましい)
⚫︎ 出入口は引き戸が基本(開き戸は車いすでは不便)
⚫︎ トイレは広く、手すりを設置(転倒リスクを防ぐ)
⚫︎ 浴室は段差ゼロでフラット(脱衣所との高さをそろえる)


4. ケーススタディ:「親子三世代で暮らす家」


【課題】おばあちゃん・お父さん・子どもが一緒に暮らすバリアフリー住宅を考えよう!

▷ よい例:
・玄関はスロープ+段差ゼロの自動ドア(公平性・安全性)
・廊下は90cmで車いすもベビーカーも通りやすく(広さ・サイズ感)
・トイレは引き戸+手すりつきで転倒防止(安全性)
・キッチンはレバー式蛇口でラクに操作(負担軽減)
・お風呂は脱衣所と同じ高さでフラットに(安全性)


5. 過去問チャレンジ(二級建築士より抜粋)


【問題】住宅のユニバーサルデザイン設計として、最も適切なものはどれか?

A. トイレは高齢者用、子ども用、一般用と区切る
B. 廊下幅は60cmとし、車いすの場合は家具を移動して対応する
C. 玄関はスロープを設け、車いすでも通れる幅を確保する






【答え】

C. 玄関はスロープを設け、車いすでも通れる幅を確保する
「公平性」「広さ」「負担軽減」の原則に合致しています!


6. 今日のまとめ


◎ ユニバーサルデザインの7つの原則(試験でよく出ます):
1. 公平性(みんなにやさしい)
2. 使いやすさ(迷わない)
3. 安全性(間違えても安心)
4. 負担軽減(ラクに使える)
5. サイズ感(ちょうどいい高さや広さ)
6. 情報伝達(見て、聞いて、触れて伝わる)
7. 広さ(通りやすい空間)


◎ バリアフリー住宅の試験ポイント(数値を覚える!):
• 玄関の段差:2cm以内
• 廊下の幅:75cm以上(車いすは90cm以上)
• 出入口:引き戸が基本
• トイレ:広さ+手すり
• 浴室:フラットな床


次回予告(4日目の計画テーマ)

『住宅計画における日照と通風』
• 日当たりってどのくらい必要?
• 風通しのいい家はどう設計する?
• 二級建築士試験に出る「日影規制」も解説!

いいなと思ったら応援しよう!