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第3回 ばあちゃんと電話

星野家に来て最初の数日はそれなりに楽しく過ごしていたのだけれど、ばあちゃんがいないし、いつ帰れるのかわからないし、私はばあちゃんが恋しくて恋しくてたまらなくなった。

ばあちゃんのところに帰りたい。

ばあちゃんの声が聞きたくて、何度も電話した。


しばらくして電話代が高くなったことに気づいたママが、NTTから明細を取り寄せると、私にそれを見せながら怒りをあらわにし、ばあちゃんに電話することを禁じた。

私はそれでもばあちゃんの声が聞きたくて電話してしまう。

そして見つかっては叩かれた。


そんな様子を電話の向こうで聞いていたばあちゃんが、私にうまい方法を教えてくれた。

「ばあちゃんが電話に出たら一回切ってな、そしたらこっちからかけ直すから。
それなら電話代かからへんやろ」

そんな方法があったのか。

さっそく、次からそうすることにした。

最初のうちはうまく行っていたが、私が電話をかけていたり、電話の前で待っていたりするのを見つかると怒られた。

電話から離れて待っていると、ママが出て取り次いでくれたこともあった。

しかし、次第に取り次いでもらえなくなっていった。

「かけてこんといて!」と、ママがばあちゃんにめっちゃキレれて怒鳴っていた。



ばあちゃんと話せなくなると、ばあちゃんのところに帰りたいという思いが一層強くなった。


つづく


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