第6回 近所のおばちゃん
ある時、近所のおばちゃんが助けに来てくれたことがあった。
本当によく殴られて、
「やめてー、いたいー」っていつも泣いていたから、意を決して来てくれたのだろう。
「星野さん! もうやめてあげて! なんでこんなちっちゃいのに殴るの!」
ママはとっても外面がいい人だったのだけれど、よほど頭に血が上っていたのか、
「しつけやねん! ほっといて!」
おばちゃんも何度か止めようと試みてくれた。
でもこれ以上手出しができないと思ったのか、帰って行った。
(あー、行かないで……)
「あんたが泣くしや!」とまた殴られた。
この時のことはよく覚えている。
(おばちゃん!行かんといてーーー! でも、よく助けに来てくれたなぁ)
つづく
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