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第14回 女の子やで

ある日、同級生の子と遊ぶことになって、私は自転車に乗って結構遠くに住んでいる彼女の家のあたりまで遊びに行った。

そのときにすごく怪我をしている仔犬を見つけた。
傷口が膿んでいて痛々しかった。

私たちは二人で手当をしてあげようということになって、彼女の家に連れて帰った。

二人で消毒したり包帯を巻いたりしたところで、私は帰らなければならない時間であることに気付いた。

小学校のときは五時を過ぎたらもうボコボコにされていたから、

「ヤバい、急いで帰らなあかん」と私は身の危機を感じて焦った。

「で、この子どうする」という話になったけど、

「え、もう、ちょっとごめん、とりあえず私帰らなあかんし」と帰ってきた。

彼女もすごく困っただろう。
私も自分の身を守るためとはいえ、無責任に置いてきてしまったし。

「でも、家に置けるぐらいやから大丈夫なんかな」
なんて自分を納得させようとした。



家に帰ると、私は殴られたくないから、どこにいたかというのを言い訳して嘘をついて、その場は難を逃れることができた。


その日の晩、犬を連れて行った子の家から電話がかかってきた。

犬を無理やり持ってきたとか、たぶん有ること無いことを言ったのだろう。


その時私は洗面所にいて、風呂に入ろうと服を脱ぎ終わったところだった。


お母さんがいきなり洗面所に入ってきて私を殴り倒し、電話で聞いたことをすごい勢いで私に浴びせた。

ちょうどそこに、お兄ちゃんたちが次々に帰ってきて、
「何してんねん」と洗面所に入って来た。

お母さんは、こうやってこうこう、こんなことがあったみたいに電話で聞いたことを説明する。

「何してんねん!お前!」


スッポンポンの私は、スッポンポンのまま洗面所に転がって、三人にずっと蹴られまくった。


本当に恥ずかしく、本当に辛かった。

(思い出しちゃった…… こんなんなくない⁈ 女の子やで私!)

つづく


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