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第17回 フランケン

五年生にもなると、ちょっとイキった女の子らがランドセルをやめて、
普通のカバンを持ってくるようになった。

私はランドセルは卒業するまで使うもんだと思っていたのだが、
彼女たちとは仲良くしていたので、私もそうしたいな、と思うようになった。


私は超ちっちゃかったから、

「ランドセル背負ったら見えへん」とか、

「ランドセルから手と足が生えとる」とか、

よく言われていたぐらいで、ランドセルが重くてしんどかったというのもある。


私も普通のカバンにしたくて、
ランドセルが破けていたところを自分でちょっとだけ破いて広げた。


お母さんに、ランドセルが破れたから別のカバンに替えたいと伝え、
ランドセルを見せると、

「あんた、これ自分で破いたやろ!」と、バレてしまった。

そして、私をバチバチにしばき倒し、ランドセルを持って行った。


「ほれ、これでええやろ」と、ランドセルが戻ってきたのを見て愕然とした。


めっちゃカッコ悪い。


キリで穴を開けて、太い糸で縫って、セメダインで固めて、

フランケンシュタインみたいになっていた。


そのランドセルを背負っていく羽目になって、
縫い目の固まったセメダインが腕に身体に当たって痛かった。

(そんな意地悪せんでええやん。でも考えてみたら勿体無いよね)


つづく

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