ボヤのお詫び 廃棄物置き場からボヤが 

ボヤのお詫び 廃棄物置き場からボヤが 

 
「お客様へ
 昨夜、当店の廃棄物置き場から、ボヤを発生させてしまい、大変申し訳ありませんでした。
 消火に当たってくれた、消防の関係者の方、近隣の方、本当にありがとうございます。
 再発防止に努めるよう、従業員一同反省しております。みなさまのご指導よろしくお願いします」

「加藤さん、参ったよ」
「店長、昨夜はお疲れ様でした」
「でも、本当、ゴミ箱に自動消火器つけて置いて良かった」
「もちろん、厨房も付いていますよね」
「そう、付いています」

 スーパーは、大きくないと、スプリンクラーの設置義務はないのですが、ヨコシマスーパーでは、小型店でも、火気を使用する場所と、廃棄物置き場には、全店、自動消火器を整備していたのです。ヨコシマスーパーでは、過去に厨房からボヤを出していたので、注意していたのですが、最近、テナントとして、入ってきた、桜田弁当店の揚げカスの処理が悪く、ボヤになったみたいです。
 ヨコシマスーパーでは、新しい従業員が入ると、消火器の位置と消火器の取り扱い方、非常時の連絡体制などを、お客様に対する挨拶を教える前に教育をしていたのです。
 ヨコシマスーパーでは、たばこを吸う所は、最近無くし、全店禁煙にしていました。
 しかし、モール全体では、安全に対する教育などは、各、店舗に任せていたのです。
 従業員の喫煙も、まだまだ行われ、吸い殻が、道ばたに落ちているところも散見されていたのです。
 天ぷらなどを揚げたときに出る、揚げカスは、網などにためて、冷却後、一般のゴミと同じように廃棄するのですが、冷却が不十分だと、数時間後に自然発火してしまいます。
 ヨコシマスーパーでは、廃棄前に、充分な量の氷を揚げカスの上に乗せて、完全に氷が溶けて、内部まで冷えていることを確認してから、廃棄するようにしていたのですが、桜田弁当店では、ただ、冷えているのを確認して、廃棄していたのです。
 廃棄物置き場は、一般のゴミと同じ所においていたのですが、揚げカスは、端の専用の所においておくようにしていました。
 ボヤの当日、閉店の20時から二時間たって、22時頃、火災報知器が発報し、自動で連絡網の店長、加藤さん等の携帯に連絡が入り、ヨコシマスーパーの外の非常ベルが鳴り、パトライトが点滅したのです。
 ボヤ自体は、自動消火器で直ぐに消されたのですが、非常ベルが鳴り続けたので、近所の方が、119番に連絡をし、消防車が駆けつけました。
 店長など、自動で連絡を受けた方が、鍵を開け、消防設備の確認を行い、廃棄物置き場からの発報を確認し、消防の方と、現認しました。
 自動消火器で完全に消えている事を確認し、発火点は、揚げカスであることも確認しました。
 店長は、とりあえず、近隣の家を回り、お詫びをして歩いたのです。

「加藤さん、じゃ、近隣にお詫びに行ってきますね」
「店長 お疲れ様です」

 日が変わった次の日の、午前中に、お菓子を持って、再び、店長は、近隣のお詫びに行ったのです。
 この後、モール全体の責任者を集め、改めて、火事の発生原因を説明し、予防について打ち合わせをしたのです。
 ヨコシマスーパーは、警備会社とも契約していたのですが、警備会社の方が、駆けつけたのは、店長よりも遅い時間でした、更に、鍵が掛かっていたため、警備会社の方は、スーパーの周りを回るだけでした。
 閉店後に火事、盗難などの発報が有った場合、単純に発報したことを、スマホに連絡が入るのでは無く、発報の内容を、より詳しく、連絡が入る、システムにヨコシマスーパーは変更しました。
 今回は、たまたま、店長も、他の担当者も、駆けつける事が出来たのですが、これからは、「何かあったときの担当」を毎日、明確にして、車で駆けつける事が出来るようにしたのです。
 異常時の連絡用の携帯を作り、異常時携帯を持ち回るようにしました。
 異常時携帯の電話番号は、近隣の方にも伝え、もし、発報があった場合は、連絡がいただけるようにしたのです。
 近隣の方には、もし、大きな火事が発生した場合の防火水槽も準備してある旨を連絡し、近隣で火事があった場合も使用できると説明し、理解をいただいています。
 なにより、この青山店長は、人柄が良く、スーパーの開店時は、入り口で、お客様に挨拶をしていたのです。
 店内の事を聞かれても、丁寧に説明していました。

「加藤さん、お疲れ様です」
「店長、お疲れ様です。近隣の挨拶終わりましたか」
「無事、終わりました、今回の発報で近所の方を回ると、本当に、近所のお客様に助けられていることを再認識しますね」
「そうですよね」
「もっと、モール全体の安全、安心に注意する必要があると、本当に再認識しました」
「私も、全体回るようにしますね」
 店長、加藤さんは、ヨコシマスーパーだけで無く、モール全体の安全面、品質面の点検を毎週するようにしたのでした。
 自動消火装置も、モール全体で、火気のあるところには設置するように提案し、全店で設置したのです。

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