あなたが歩くところは綺麗か
あなたが歩くところは綺麗か
「加藤さん、おはようございます」
「店長、おはようございます」
「今日は、今年の全従業員の従業員教育、よろしくお願いします」
「了解です」
ヨコシマスーパーでは、定期的に、従業員教育を、すべての従業員向けに実施しています。
昨年までは、自社だけでしたが、今年からは、希望する、モールの従業員にも対象を
広げました。希望者だけと言う連絡をしたのですが、なんと、定休の休みの方も含めて、
モールの方全員が受講することになったのです。
品質管理の基本は、綺麗と言うことです。綺麗は、見た時、匂い、触っての三種類で
綺麗と言うことです。
従業員の方が駐車場から、更衣室、作業場まで歩くところがすべて綺麗であれば、
基本が出来ていると言うことになります。
「私の職場は古いから綺麗にならない」と言う声をよく聞きますが、京都のお寺、神社を
考えてみてください、100年、1000年たっても、綺麗な所は、綺麗に磨き混まれています。
従業員の駐車場が、砂利のところが、未だあります。砂利舗装でも、水たまりが
なければまだいいのですが、雨が降ると、大きな水たまりの所もまだまだあります。
最近の新工場でも、いまだに従業員の駐車場は、砂利のところがあります。
自宅を新築するとき、新車を購入したときには、砂利の駐車場に車は止めないはずです。
車が傷む事もありますが、靴の裏に石が付いて、工場に持ち込む可能性があります。
「あなたが歩くところは綺麗」を教育する前に、駐車場を舗装すべきです。
ここからは、舗装してある、駐車場とします。
駐車場をよく見ると、雑草が生えている、落ち葉が落ちている、たばこなどのゴミが
落ちている事はありませんか。
駐車場に、紙くずが落ちているとしたら、どなたが片付けますか。
誰も片付けない、専門のシルバーの方が片付ける、社員が片付ける、見かけた方が、
全員で片付ける等が考えられます。舗装の上を箒で綺麗に掃く、水で綺麗に洗い流す等の、
清掃とは、別に、紙くず、ペットボトルなどが落ちていたときに、みなさんの所の
従業員はどのように対応しますか。
車を降りてから、更衣室、作業場まで、床に何か落ちていたら、ゴミを拾う、この
簡単な事を、全従業員が自ら進んで実施したら、事業所全体が綺麗になりませんか。
トイレで考えて見ます。ほとんどの方が、作業場に入る前に、トイレに入ります。
便器が汚れていたら、誰が掃除しますか。毎日、定期的に掃除する担当の方が
決まっていると思います。掃除の方が、出勤前に、便器が詰まっている、水が流れない、
等のトラブルが起きたときに、誰が掃除しますか。
私は、工場に行くときに、約束の時間よりも1時間程度早く行くようにしています。
理由は、工場のいつもの顔が見たいためです。一番驚いた工場は、トイレ個室ではなく、個室の外に大便が落ちていたのです。きっと、我慢が出来ない方が、個室の外で用を
足したのだと推測できます。コンビニの方と話をしていると、コンビニでも、小便器の
中に大便をしていく方、床にしていく方が、多くいるそうです。
驚いたのは、床に落ちている便があるまま、みなさん用を足しているのです。
「私の仕事ではない」と言う顔でした。
この工場の作業場では、商品が床に落ちていても誰も拾わず、床は商品だらけだった
のです。
「作業場の床に何も落ちていないこと」、「床に何か落ちていたら拾うこと」この簡単な
事が徹底出来ていない作業場が非常に多い物です。
床に落ちている物に滑って転んで労災になってしまった。床に落ちている物を
引きずって台車のタイヤの汚れが、床に広がってしまっている作業場は、よくみかけます。
駐車場から歩いているときに、浄化槽などからの異臭が匂っていませんか。事業所の
方は、勤務中だけですが、近隣の方は、24時間、365日異臭を嗅いでいるのです。
匂いは、直ぐになれてしまいますが、同じ匂いを嗅ぎ続けていると、調理中の匂いでも、異臭に感じてしまうものです。排水管理、排気は要注意になります。
玄関の階段を見てください。階段から白い液が垂れて、階段が白くなっていませんか。
階段の真ん中だけが汚れていませんか。玄関の階段が汚い「はなたれ」と言う、白くなる
現象のまま放置されている事業所もよく見かけます。階段の途中に雑草が生えて
いませんか。
責任者も含めて、全員が歩く、玄関が磨き混まれていない事業所は、他の、作業場を
確認するまでもありません。
玄関の窓ガラスに、ポスター等を貼っていませんか。ポスターを貼っていると
言うことは、その部分は、磨いていないと言うことになります。
玄関は毎日磨き込む事。この事が徹底出来れば、作業場は自然と綺麗になっていく
はずです。
あなたが歩く所にゴミが落ちていませんか。
あなたが歩くところは、異臭がしませんか。
あなたが歩くところは、磨き混まれていますか。
この簡単な事を従業員教育で徹底してみませんか。