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「苦手も『好き』で補える」複業ワーカー女子が、趣味の水引を仕事に繋げるまで
「好きなことを仕事にする」と聞くと、難しそうなイメージがありませんか?実は最近、Webデザインなどのクリエイティブスキルを用いて、趣味を仕事に繋げる人が増えています。
本業はマーケターとして働く、複業ワーカーのぺちさんもその1人。趣味だった水引作品づくりが、今では自身のブランドをもつ水引デザイナーの副業へと繋がっています。
ぺちさんは、どのように水引を仕事に繋げていったのでしょうか。水引との出会いからブランド立ち上げまでの軌跡や、好きなものを仕事に繋げた理由を伺いました。
水引の「すぐ結果が出るところ」に相性の良さを感じた
ー まずは水引との出会いを教えてください。どんなところに惹かれましたか?
大学3年生のとき、旅行先のお店で「博多水引」の商品に出会いました。
それまでは水引というとご祝儀袋のイメージしかなかったのですが、「博多水引」はキラキラしていて。こんな可愛いのがあるんだと知りました。
ー 可愛いと感じたところから、なぜ作ってみたのでしょうか?
社会人になってから実は休職していた時期がありまして。当時通っていた病院近くの100円ショップに、水引の素材が売っていたんです。
お休みの期間だからこそ「今しかできないことをやりたい」と感じて作ってみることにしました。
ー 休職中の大変な時期でも、前向きに行動されていたんですね。作ってみて、水引のどんなところに魅力を感じましたか?
最初は上手くできずに力ずくで結んでしまったりしたんですが(笑)、その部分も作品の味になるのが面白かったです。
あと、すぐに結果が出るのも魅力ですね。はじめて挑戦する結び方でも1〜2日でできるようになったので、どんどん色んな結び方に挑戦できました。1〜2週間くらいで、ある程度の結び方はできるようになりましたね。
私はこつこつ努力するよりも、すぐに結果が出た方がモチベーションアップに繋がるので、その点でも水引との相性が良かったんだなと思います。
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「販売してみたら?」の一言が転機に
ー 趣味で作っていた水引作品を、販売しようと思ったきっかけはなんでしたか?
自作の水引アクセサリーをつけて、入会しているSHElikes(女性向けのオンラインキャリアスクール)の名古屋拠点に行ったことがあって。
知り合いのスタッフさんに「これ私が作ったんですよ」と勇気を出して言ってみたら、「すごいじゃん!販売とかやってみたらどう?」と言われたのがきっかけの1つです。
あと、実はその2ヶ月前に金沢旅行をしてまして。金沢も水引が有名なので、水引のお店に行ったんです。そこの店員さんに自作の水引作品を見せたら「すごい!売り物みたいですね」と言ってもらえて。
その頃にはポジティブな自分も戻ってきていたので、褒めてもらえて素直に嬉しく感じました。
金沢での経験もあったからこそ、名古屋拠点での一言もストンと腑に落ちて、水引の販売を選択肢の1つに持っておくのもいいなと思えましたね。
ー お店の人に褒めてもらえるのは自信になりますね!そこから販売に至るまで、どんなことをしていましたか?
水引の販売をやってみようかなと思ったタイミングで、ちょうどSHElikesのブランディングコースを受講したいと考えていまして。なので水引アクセサリーを例に挙げて、ブランド構築をするワークに取り組みました。
ワークは1〜2ヶ月じっくり練りながら取り組みました。できあがった課題を提出するとフィードバックをもらえるので、それを受けてさらに考えることでブランドの軸が定まっていきましたね。
せっかく深く考えたので販売してみようという気持ちが強くなって、ブランド用のインスタグラムを開設したり、手軽に使える販売サイトで販売にチャレンジしたりしました。
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ブランド立ち上げは、大変さを感じないくらい全部楽しめた
ー ブランドを作るのは大変そうなイメージがありますが、特に大変だったことはなんですか?
実は、大変だったことはあまり思いつかなくって。なぜかというと全部楽しくできたからなんです。
販売サイト作りはデザインスキル、どう届けるかはライティングスキルなど、SHElikesで勉強してきたことをフル活用していって。今ある自分の力を振り絞ってブランドを立ち上げるのは、大変なことはありつつも、楽しさの方が上回りました。
ー 楽しさが上回るなんてすごいです!色々なスキルを使いこなしていたんですね。ぺちさんの水引ブランドの特徴を教えてもらえますか?
ブランド名は、ドイツ語で「魅力」という意味をもつ『Charme(シャルム)』で、「あなたの“好き”を水引と共に」というコンセプトで運営しています。
水引は、紐を組み合わせる順番で出来上がりがかなり変わるんです。その特徴を活かして、あなただけの好きを表現し、魅力を光るものにしたいという想いを込めています。
たとえば、推しのアイドルのメンバーカラーにあわせた水引作品を作成して、お客様の推し活をより充実させるお手伝いをしています。水引を知る機会の少ない10代20代の方にも、水引の良さを知ってもらえたら嬉しいです。
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好きなことを仕事にする方が、多少しんどくても頑張れる
ー 世間的には仕事と趣味を割り切る人も多いと思いますが、ぺちさんはどうして好きなものを仕事に繋げようと思ったのでしょうか?
私は好きなことをする方がやる気が出たり、よい方向に進むなと感じているんです。
学生時代に、大好きで憧れていたスターバックスでアルバイトをしていました。でも実は結構な人見知りで、元々は接客業なんて一生やらない気でいたんです。なので最初は、レジにいるのに絶対喋りたくないと思うほどで(笑)。
でも、どうしたら緊張せずできるか試行錯誤するうちに、接客にも慣れていきました。段々、お客様と話しながら理想のカスタマイズを提案するのが楽しくなったり、店の外で試食を配ることもできるようになって。
この経験から「苦手なことも好きなことで補えるんだな」と気づきました。好きなことがベースにあると、モチベーションや自分のパフォーマンスにも繋がるなと感じます。
好きなことを仕事にすると、それが嫌になったとき息抜きができなくなるんじゃないかと最初は思っていました。でもアルバイトでの成功体験があってから、そうでもないかもと思えて。
がっつり趣味を仕事にするのではなく、間接的に関わったり副業にしたりすることで、しんどくなったら離れることや別の活動に専念することもできるなと気づけました。
ー アルバイトでの成功体験があったから、好きなものを仕事に繋げてみようと思えたんですね。接客が苦手なのに挑戦したなんて、やっぱり「好き」の力ってすごいですね!
アルバイトを始めてすぐ、全然向いてないから辞めたいって思ったんですよ(笑)。でも好きなものだから、なんとか頑張って4年間続けられました。
苦手なことだったとしても、「好き」が原動力になって克服できるようになるんだなと学びましたね。
何かを好きな気持ちは、どんな困難でも乗り越える力になる
ー 最後に、これから好きなものを仕事にしたいと思っている人へ向けて、メッセージをお願いします。
私は「好き」を仕事にするってやっぱり楽しいと感じるのと、多少しんどいことがあっても好きなものだからこそ乗り越えられるなと思います。
何かを好きな気持ちがあると、どんな困難でも乗り越えられると私は今までの人生で感じてきました。
好きという気持ちは、その人にしかない特別な想いのはずです。好きなことを仕事にしたいと少しでも思うなら、どんな壁でも乗り越えられると思うので、私はめちゃくちゃ応援してます!
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「好き」の気持ちを大切に、まずは小さな一歩を踏み出してみよう
「好きなことを仕事にするのは理想だけど、難しいだろうし…」と諦めてしまう人も多いと思います。でも何もしないのはもったいない。
少しでも「好きなことを仕事にしたい」と思うなら、まずは発信してみるなど、小さくても前に進んでみてはいかがでしょうか。ぺちさんも最初は、日々の記録として水引作品の発信をしていたそうですよ。
少しずつ挑戦するうちに、ぺちさんのように理想の仕事ができるようになるかもしれません。「好き」の気持ちはあなただけのもの。小さな一歩を踏み出してみませんか?
ぺち
本業でマーケター、副業でグルメライター・音楽コラムニスト・スクールのキャリアプランナー・水引デザイナーとして活躍する、複業ワーカー。
副業のうち、キャリアプランナー以外の3つはすべて趣味が仕事に繋がったもの。
2023年8月に水引ブランド「Charme(シャルム)」を立ち上げ、水引作品の販売やオーダーメイド作成を行っている。
<Charmeのインスタグラム>
<ぺちさんの作品ギャラリー>
💡こちらの記事は、キャリアスクールSHElikesの実技試験用に企画・取材・執筆し、いただいた指摘を元に修正したものです。
【掲載想定メディア】メルカリマガジン
【テーマ】好きなものを仕事に繋げる方法
【採点結果】94点/100点