【教習所日記】第二日
さて、本日は①模擬②実車③学科④学科となかなかにハードな第2日目である。
「 ①模擬 」
12時50分。
けたたましく鳴り響くアラーム。
家を出る時間の音楽はこれに決めた。
「車輪の唄」
言わずと知れたBUMP OF CHICKENの名曲。曲の内容と教習場の関連性は特にないが、まあ「車輪」という共通点だけで十分であろう。
アラームを合図に我が家のアイドル、あーる(クリーム色のトイプードル)に行ってくるねと声をかけ、扉を閉める。あーるは振り向きもせず寝ていた。
至って健全。
自転車の空気を入れ、充電が満タンになったバッテリーをセットし、13時ちょうど。いざ出発。
片道26分の道なりを悠々と進んでゆく。
あっという間に到着。13時20分。
うむ。やや早かった。本日の1コマ目は14時。
まあ遅刻をするよりは良かろうとロビーの椅子に腰掛け、昨日の復習および予習を行う。実に偉い。
前置きが長くなってしまった。
本題の「 模擬 」である。
ゲームセンターによくあるような運転席のみが数台置かれた小さな部屋に5人ほどが集まった。どうやら備え付けの画面にビデオが流され、それを見ながら運転のシミュレーションを行うようである。
驚くスピードで次から次へと説明が施される。ハッキリ言って意味がわからない。ハンドブレーキ?ボタン押しても下がらないよ?パーキング以外の君たちは何?鍵はどこまで回すの?
一言でいえばキャパオーバーである。
訳もわからず、とりあえず画面の動きに合わせてそれっぽく動いてみる。なるほど。これは「アカンやつだ」と心の中で悟る。
姿勢を直すふりをしつつ隣をチラ見し、余程変なことになっていないかを確認すること数回。50分の授業が終わった。この次は「実車」教習である。まだ顔も見ぬ山本さん(※担当指導員 ※※仮名)の眉をひそめる表情がすでに目に浮かんでいる。
しかし何を思おうと短期集中コース。やるしかないのだ。兎にも角にも、一つ一つ目の前の実習をクリアしていくしか最短での卒業の道は開かれていないだ。最後の悪あがきで、残されたわずかな時間でYouTubeを開き、エンジンのかけ方から発車準備までを確認する。ブレーキを踏み、プッシュ式のスタートボタンを押しエンジンがついた。そしてブレーキを踏み、スタートボタンを押しエンジンが切れた。見たかったのはこれではない。だがここで予鈴のチャイム。タイムオーバー。
覚悟を決め立ち上がり、外へ。
いざ始めての実車へ。。。 つづく
EP.2 #ちょっと待って