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2016 年間ベストソング

トランプ政権が始まった年。悪夢のような世界情勢になると思ってましたが、急に世界がそんな変わるわけないかと実感。特に興味はありませんがSMAPが解散。ブルーノマーズが音楽シーンで無双状態に突入。

The Sound / THE 1975

偶然にも前に紹介したブロッサムズと出身は同じマンチェスター。オアシス、ストーンローゼスとかビッグバンドを輩出し、かつてはシーンの中心地と言われたところから、偶然にも。また盛り上がってんのかな。しかもこのバンドも売れててデビューアルバムでUKチャート1位出してる。こっちはどちからというと女子受けしそうなタイプで、ポップな要素が強い。
実際流れているけど、FMとか流しやすそうやなー。ぼんやり耳にしてた中で、偶然にもサマソニでライブで目撃。全然期待してなかったけど、結構良いんやなこれが。当たり前やけど、ライブではちょっとでも知ってる曲を聴くのが良いよねと実感。80年代のダンス風エッセンスもほんのりありつつ、抜群のキラーメロディ。コアな洋楽ファンもワンダイレクション(もう古いか)とか聴く海外アイドル系止まりの洋楽好きも聴ける絶妙なサウンド。冒険心のない卑怯な路線と言わればそれまでやけど、ライブ見る限りは全然チャラくもないし、もしろ無骨にやっとる姿が好感持てたな。千鳥のネタばりにクセが強い洋楽好きからは毛嫌いされそうやが、素直にいいというよ。


Blossoms / Charlemagne

久々にヒットしたUKの新人バンド。UKといえばマンサン、マニックス、ミューズという3Mがテッパン。学生の頃は散々聴いて、至った結論は暗くて、湿っぽく、ねっとりしたのがUKということになってしまった。今では逆にそのカテゴリに収まるバンドが少なくなったけど。このバンドはUKの良いところを全て凝縮したかのようなミラクルな奴ら。クーラシェイカーのグルーブ感、オアシスの堂々としたボーカルスタイル、抜群のメロディセンス。どれをとっても新人にしては優秀すぎる仕上がり。(アルバムは聴いてないけど)本国ではiTunesのチャートで怪物アデルを抜いて1位になったほどの大事件。
この曲に限っての話になるけど、イントロの反則級に魅せるメロディ。よく聴くと俺の好きなずっとメロディが続くキョンキョンの「あなたに会えてよかった」テンポ。こっちはゆっくり、ぐいぐいとくる感じやけど引き込まれっぱなしや。この地に足ついたグルーヴ感もやられるわ。全体的にツボが多く、どこを切っても飽きるところがない完成度。久々に期待のロックバンドが出てきてくれたな。ビジュアルはいかにもUKな見てくれ。


Trashcan Sinatras / Best Days On Earth

見た目の印象だけでいうと、地味な同窓会グループのOB会である。いやちゃいますよ、知る人ぞ知るトラキャン。1980年代初頭に当時主流だったピストルズ、クラッシュ等が売れていたパンクムーブメントに嫌気がさした若者が傾倒した「ネオアコ」(ネオ・アコースティック)後期の代表格的なバンド。昔にこの手のジャンルのを聴いてみたけど、当時はイマイチ、ピンと来なかった。懐かしのエブリシング・バッド・ザ・ガールぐらいはよかったかな。
ただあんまりやったのは前期のネオアコで、このバンドは後期に活躍したらしい。と音楽フリークぶった御託を並べてしまったが、そんなかすかにあった情報で何となーく視聴してみたら、相当よかった。インディー感は多少あるものの、溢れんばかりの煌びやかで、ほんのり大人なポップ臭。こんないいバンドやったとは驚きやったな。中でも優しい木漏れ日が爽やかに周りの風景を染め上げるような珠玉のナンバーを選曲。OBでもまだまだ現役には負けずに頑張っとくれ。しかしこんなおっさんらが奏でる音とは、想像力をフルに働いても想像できん。


Bruno Mars / 24K Magic

まず誤解を解いておきたいけど、全盛期の降谷建志ではございません。(にしては派手すぎるけど)最近、多少洋楽をかじった奴がまず口にしそうな売れ売れな男ブルーノマーズでございます。そもそもは王道路線のバラードが売りだったりした人なんやけど、去年かマークロンソンにフューチャーされた「Uptown funk」がクソほど売れたので、自身のアルバムもその路線に思いっきり乗っかって路線変更したアルバムのシングル曲。この人に限っては元から結構売れてたので嫌味にいうこともないけどな。ブギーでファンクな、どちらかいうと古臭い、ダサい手法を、ポップでキャッチーに仕上げて、何とも今流行りのサウンドのようにキラキラと聴かせてくる。主張しすぎず、かといって物足りなさは感じない小気味いいぐらいの低音ベース、あくまで王道ラインに乗せてくる楽曲の完成度は、背後に敏腕プロディーサーの影がチラリ。ただ何より痛快にファンク野郎になりきった弾けたボーカルパフォーマンスはこやつのスキルあったのものでしょう。曲名のように色んなマジックが発生。


Flume / Tiny Cities (feat. Beck)

どこかで聴いたことのある歌声。。何と贅沢なことにBeckさんがガッツリとシンガーとした扱いでフューチャリングされているではないか。洋楽好きには避けては通ることないBeckという存在。どちらかというと音楽的センスや自由な表現力を持ったアーティストカラーが先だったイメージとして強いんだけど。改めてシンガーとしての力量を見せつけられた楽曲。たまたま知らんだけかもしれんが、珍しいBeck使いをしとる曲である。正直、このFlumeというエレクトロ系アーティストは全く知らん。機会があればアルバムも聴いてみたいが、ごくわずかな情報を辿ると、ポストジェイムス・ブレイクとかそっち系な人みたい。派手な音に頼らず、情景、奥行きのあるサウンド空間を作れる技は見事やけど、やっぱこの人は知らん。どこか神々しくゆったり流れているエレクトロ空間に、しっかりと響き渡り、輪唱していくかのBeckボイスはたまらない。加工具合も絶妙。こんな素敵な一面を掘り下げてくれてありがとう。Flumeくん。今さらやけどBeckは立派なシンガーソングライターでした。


Banks & Steelz / Giant

HIPHOPとROCKの融合ってのは、散々昔から音楽のジャンルとしてミクスチャーができたり、あらゆるコラボが生まれたりというのも通過してきた。が、ここに来てRZA is Bobby Digitalで有名(ではないけど)なこの男が動きだす。この男だけは今でもベストな融合を模索しているかのよう。何よりキレッキレすぎる、いやキレてるんちゃうかというラップ。とにかく熱量がハンパない。一方横では今回パートナーになるインターポールが淡々と無機質とも言えるボーカル、ギターサウンドを重ねていく。これがいい感じのコントラストを描いていて、見事なマッチング。あくまで主張の激しいRZAを盛り立てるために、じんわりと脇を固めるいぶし銀な心意気を感じる。下手するとちょっと笑うてまう。とにかくRZAはインターポールをそもそも好きやったみたいで、コラボできてテンション高なってもうたんやと思うと、何たる無邪気な男。写真もあえてすかしているように見える。


Best Coast / Heaven Sent

ザ・カルフォルニアなサウンド。昔ロックに夢中やった頃は「オレンジカウンティ」という熱い地域があって、オフスプ、ノーダウト、シュガーレイ、セブラヘッドとか、日本やUKには絶対出せない、海岸線が目に浮かぶような土地柄を感じる心地よい音楽達があったよなー。そんな懐かしい記憶が蘇りそうなバンドがまだおる。
パンクとかハードコアとかいってまうと、おっさんは当然耐えられんが、このポップ度強めの心地よさは絶妙。日本で言うリンドバーグとかにも若干通じるところがあるかな。どこかレトロでおしゃれな雰囲気も滲みでとる。ちょうどいい微糖感。俺の中ではこういうのが懐メロ的なジャンルでたまーには聴きたくなるんやな。


水曜日のカンパネラ / アラジン

ここ最近話題の音楽ユニットだからと言って流行りに乗っかたわけやなく、聞いてみると意外とよかった。天然を自然に振る舞う綾瀬はるかのようなキャラも受けて、ボーカル「コムアイ」はよくテレビにも出とるな。ユニット名といい、ライブでは鹿の解体をする話題性とか、何かと気にさせる手法はうまい。最終的には聴いて見ようという行動に向かっているのはまんまとプロデューサーの手の平の上で転がされているわ。何より音のクオリティが異常に高い。全盛期の電グルみたいなアッパー&キャッチーなダンストラック。歌詞は変にメッセージ性を盛り込まず、誰もが知っているような偉人を気安くペラっと紹介するような内容。そんな振り切りようが変にカッコつけてないし、いいんやろな。おそらく中田ヤスタカのようなクレバーな奴がプロデューサーとしてバックにいるに違いない。路線は違うが、きゃりーぱみゅぱみゅへの強烈なカウンター要員としてはおもろい存在やな。たまーにアイドルの曲でもなんじゃこらと思うほどのクラブライクなサウンドが乗っかたりするから侮れん。


Baauer / Temple (feat. M.I.A. & G-Dragon)

冴えない顔なので、グラサンをしているDJ/音楽プロデューサー。相変わらずろくな情報がないが、ZEDD、calvin harrisとかここ最近のEDM系に属しそうな人。おそらくアルバムまでは手が出ないであろうし、今後ここに登場することもまずないやろな。ただこの曲は一聴してお気に入り。タイトルからして「temple」寺。。気になるな。キャスティングもM.I.AとBIG BANGのG-DRAGONという接点なさそうなコンビ。尖りたいのか、メジャー路線なのか。メジャーなアーティストが、たまーにマニアックな人にfeatされる意外性。そんなところ突いとるんなら好きな類だ。
琴の音色が響く和テイストメロが下世話な低音エレクトロビートにまとわりつく。M.I.Aがメインで煽るラップに、Gさんのサブ的な合いの手もいい塩梅。相変わらず日本のイメージってのは海外では変に誇張されるけど、音楽ではいい方向に向くこともあるな。しかしお寺でこんなBGMが流れてたら、和尚がぐれる。


RADWIMPS / 前前前世

猫も杓子も「君の名は」だった2016年。ラジオや色んなところでバンバン流れてた主題歌のこの曲。サラッと聴いた時は、バンプの新曲が選ばれたんやと思ってたが、このいかがわしいタイトルからしてRADWIMPS。えらいキャッチなー曲もやるんやなと。あの「おしゃかしゃま」でおなじみの奴らが、気づけばMステ、見てないけど紅白にも出るほど市民権を得た市場でも大ヒットを飛ばした楽曲。
映画は全然見てないけど、アニメーションの絵柄と、何となく知ってる世界観がセットになって心を掴む。イントロから激しいギターリフでサビ前のたたみかけが見事な展開。サビも止まらず疾走し続けるノンストップ激情。後半のサビ後に結構長めの間奏が入り、またサビに入る前のためが個人的に好きやな。ラッドらしい激しさ、輪廻転生っぽい独特の世界観もありながら世間にも受け入れられる、見事なまでにいいとこ突いた曲ですな。映画効果が絶大やろけど、あっぱれあげよう。


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