ふつうじゃないプロム
学年末前にプロムがあった。
日本で同じ学校だった子は友だちも彼氏も作って
リムジンを借りて完璧に楽しんでいた。
一方私はリムジンを一緒に借りる友だちもおらず、
もちろんお相手もいないのでどうしようかとおもっていたけど
SやSの友だちと一緒に行くことにした。
(本当にいまでもほかの子がうらやましくなる。
英語力があってきれいで可愛かったらとなんども思う。)
(どうして息するように友だちができて、恋人もできるんだろう。
それすらできない自分は人生負け組だとこのころからおもっていた。
自分以外の他人は頑張ってコミュニケーションをとって成功し、
輝かしい留学体験を経ているのだ。そのレールに私は外見から乗れないって思っていた。世界は不公平だと。)
ホストマザーがこの時期になると私をドレスショップに連れて行ってくれた。ホストシスターとお揃いの紫のワンピースドレスを買ってくれたので
それを着るとつたえたら、「それじゃ暗すぎる!」
誕生日にもらったのをじゃあ着るといったら「カジュアルすぎる!」
と。結局白のワンピースドレス(ママごり押し)を購入してきていくことに。
メイクはプロムに行かないKがしてくれた。
アイラインの痛いこと。粘膜に描くので涙が出た。
アイシャドウをミスすると指につばをつけて私の顔を
拭くのだ、ちょっと複雑だけどやってもらっている以上
何も言えない・・・と思いながら我慢していると
とても上手に仕上げてくれた。
プロム会場につけばRやA、ほかの友だちもいて
一緒のテーブルに入れてもらった。
なぜかゲイの知り合いに人生初のお姫様抱っこをされる
わけのわからない展開も面白かった。
誰に語れるわけでもない私のプロム体験記。
比較ばっかりして自分を責めていたけど、これはこれで
この時の私の精一杯だったと最善だったのだと、今なら
受け止めてあげられている。