両国国技館❗️復活の第九・未来への第九コンサート🎶
以前、練習の様子を記事にさせていただいた、両国国技館5000人の第九コンサートが、昨日無事に開催されました。新型コロナウイルス感染拡大によって開催直前に延期になり、5年ぶりの開催でした。
第37回国技館5000人の第九コンサートは、復活の第九・未来への第九というテーマでした。
国技館の客席の半分がお客様、半分が合唱団というスタイルで、合唱団は、被災された石川県も含め、北海道から沖縄までの全国から、そしてドイツなどの海外からの参加者もいらっしゃいました。
私は、初めてマス席で歌うことになり緊張していましたが、周りの方々もほとんどが個人で参加されていて、お互い初めましての和やかな雰囲気で、リハーサル後にマス席の座布団に座って、持ち寄ったお弁当を食べるのも楽しい時間でした。
コンサートは、2部形式で、第一部は、すみだ少年少女合唱団とその仲間たちによる「復活への祝祭」と、親方、呼出し、力士の方々による「相撲の音を聴く」。第二部が、新日本フィルハーモニー交響楽団と、国技館すみだ第九を歌う会合唱団5000人による、交響曲第九番ニ短調作品125合唱付「歓喜によせて」でした。
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すみだ少年少女合唱団とその仲間たちは、小学3年生から高校3年生までの「すみだっ子」と、卒団された方々が、素晴らしい歌とダンスを披露してくださいました。団員によるナビゲートも朗読も素敵で、幸せな未来を信じているという内容に心を打たれました。伸びやかな歌声も弾んで踊る姿も、元気に満ち溢れていました。こんなに歌が大好きな子供の方々も、この数年はずいぶん辛い思いをしてこられたはずで、この幸せを大切にしなければならないとしみじみ思い、勇気をいっぱいいただきました。
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それから、相撲の春日山親方と力士の方々が相撲甚句を聴かせてくださり、美しい歌声に感動しました。
特に、春日山親方の相撲甚句は、呼出しの利樹之丞氏がこの日のために作詞されたもので、合唱団の想いに寄り添った温かいものでした。コロナ禍で歌で集うことが出来なかった哀しみを推し量って、ここにまた集まれて歌える喜びを讃えてくださるものでした。春日山親方のお話もとても優しく心強く、両国国技館という場所で、歌わせていただくことの深い意味に改めて気づきました。
利樹之丞氏の太鼓の音が高く響き渡るのを聴きながら、お相撲の神様にも見守っていただいているのを感じることが出来ました。
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今回の第九の演奏は、これまで参加させていただいたり、聴かせていただいたりしたものとはまた別の大きな大きなうねりのような力がありました。
終わった後、誰もがこれまでで一番素晴らしかったと言っていましたが、そんな独特の力があったのです。
ソリストの方が、「帰ってきた第九」と称されていましたが、オーケストラの方々も、ソリストの方々も、「帰ってきた第九」を心から喜び楽しんでいらっしゃる様子でした。大友直人氏の熱くて愛情深い指揮のもと、心を込めた美しい演奏と歌声が、合唱団を強く導いてくださいました。
私は、歌いながら見渡して、ソプラノ、アルト、テノール、バスの、白と黒に身を包んだ5000人が、全く一つになって大きな歓びの塊になっているように思いました。止めるところを伸ばすところも、高音も低音も、大きくなるところも小さくなるところも、呼吸さえも、本当に一つになっていました。一つになったその声は、この日までの哀しみも寂しさも悔しさも、跳ね除ける力を持っていました。もう二度と、私達は幸せを手放さないという決意を持った大きな大きなエネルギーが、国技館に満ちて、広がっていきました。
オーケストラの演奏されている場所の真下に土俵が納められているのだとお聞きしましたが、その土俵の力も合わさって、何かとんでもない生命力のようなものになっていたのではないかと思えました。
ベートーヴェンが第九を初演してから200年という記念すべき年、歌えることの幸せをこんなに強く感じられる第九コンサートに参加させていただけたことを心からありがたく思います。
初めから終わりまで、全てが優しくてエネルギッシュなコンサートでした。
開催に携わってくださった全ての方々に深く感謝しております。
幸せに生きることを決して諦めてはいけないのだと、教えもらえた経験でした。どんなに困難なことが降りかかってきても、あの大きな歓びのうねりのような力を身体中で思い出して、乗り越えていけると思います。
また、来年も再来年も、あの場所に集うことをたくさんの方々とお約束することが出来ました。🌸🌸
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