赤と黒
「赤と黒」とといえばスタンダールの
名作を思い浮かべます。
タイトルの意味は
赤は軍人 黒は聖職者、
その服の色が、タイトルとなりました。
日本で赤と黒と聞いて、
まず思い浮かべるのは、
「赤字」と「黒字」ではないでしょうか?
何故、支出より収入が少ない場合を
「赤字」と呼び、
支出より収入が多い場合を
「黒字」と云うのでしょうか?
調べてみると、
この二つの言葉は
大正から昭和初期に
かけて生まれています。
「赤字」とは決算がマイナスになったとき、
帳簿に赤いインクで記入したことから
そう呼ばれるようになりました。
一方、プラスの決算は
黒いインクで書かれることから
「黒字」となりました。
不思議なのですが
実は英語でも赤字は
「be ㏌ The Red」
黒字は「Be ㏌ The Black」と呼ばれます。
これは、日本語に
訳されてこうなったものではなく
偶然の一致だそうです。
さて、赤と云えば「赤の他人」、
「真っ赤な嘘」などという言葉もあります。
この場合の「赤」という色には、
どんな意味があるのでしょうか?
「赤の他人」…とは?
全く関係ない人、
見ず知らずの人のことですが、
「赤」という言葉は、形容詞となったとき、
「明確な、完全な」という意味を持ちます。
そこから赤の他人=完全な他人、
はっきりとした他人という意味になります。
真っ赤な嘘も同じで、明らかな嘘
ということです。
赤裸々という言葉もありますが、
この「赤い裸」と書かれる言葉も同じで、
「裸々」は「包み隠さず」
「暴露」という意味を
「赤」で強めた言葉で、
すべて明らかになるという
意味となります。
最後に、「腹黒い」という言葉に関して
ご紹介しますが
この言葉の語源は、かなり意外です。
語源となったのは、実は
魚のサヨリです。
銀色でスマートな体を持つサヨリは、
魚の中で麗人、美人と
褒めはやされています。
しかし、その外見に似合わず、
腹を割くと腹の膜が
周囲にべっとりと黒く付いている
「腹黒い魚」なのです。
これが語源となって、腹黒い女性を
「サヨリのような人」と呼ぶ事もあります。
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