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“おかえり”の語源

我が家の愛犬cocoの
お出迎えの写真です。
ドアのカギを開けると、
その音で、リビングにづづく
細長いドアの窓からお出迎え。

生後4カ月の頃からの習慣となっています。

日本人は、知っている人や、
親しい人と出会うと
『おはようございます』
『こんにちは』『こんばんは』と
必ず挨拶を交わします。

ところで、
それぞれの挨拶の言葉は
いつくらいに出来たのでしようか?
 
かつては挨拶のことを
「言葉かけ」と言い、
言葉を掛けるのが
一般的な礼儀でした。

鎌倉時代の北条家の家訓、
「極楽寺殿御消息」にも、
誰であれ目にした
人に対しては
必ず礼儀として
挨拶をすべきと記されています。
 
ちなみに『おはようございます』は、
歌舞伎から生まれたという説があります。

トリを務める座長は夕方近くに
楽屋入りしますが、
その際に下役の者が
「お早いおつきでございます」という
言葉で出迎え、
それがさらに省略された
「おはようございます」に
なったと考えられています

歌舞伎の支度には時間がかかるため
早く到着する必要がありました。
それに対する
労いの挨拶という言葉で、
「こんにちは」や「こんばんは」と
異なって、唯一「ございます」を
付けられることからも相手を
労う気持ちが
強いことが分かります。
 
こんにちは」は
「今日は、ご機嫌いかがですか」
という言葉の略で、
お昼に初めて出会った人の
体調や心境を気遣って
使われました。

ちなみに「今日」は通常
「きょう」という風に
読みますが、
かつては「こんにち」と読むのが
主流で、「こんにち」とは
太陽のことを意味していました。
今日(こんにち)はいい日和ですね・・・
など、お天気に
関係していたようです。
 
こんばんは」は
「今晩は良い晩ですね」
「今晩は暖かい夜ですね」など、
後ろにその夜の様子を
表現する言葉が続きましたが、
のちにそれが略されたものだと
考えられています。
 
ただいまは、洗濯物や
足を洗うたらいが語源とされます。
帰宅時にたらいで
足をあらいつつ、
家人とその日の出来事を
会話する時間
たらいの間」が転じ、
帰宅時の挨拶となったとされます。
 
最後に、おかえりですが
語源は人の名前とされます。

室町後期の九州の
小大名・岡信綱の娘「絵里」に
由来するとされます。

信綱は領土を守るべく
日夜厳しい軍事教練を
繰り返していました。

そんな家来たちの
心の支えとなったのが、
信綱の一人娘の絵里姫の存在。

教練から戻り疲れ果てた
彼らの心身は、
居城で出迎えてくれる
岡絵里姫の清楚な姿に
癒されていたそうです。

岡絵里・・・おかえり
から生まれた言葉とされます。

(諸説あって、
「よくご無事にお帰りなさいました」が
省略されて「お帰りなさい」に
なったとするのが有力ですが、
私は、岡絵里の方が夢を感じます)

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