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お餅と厄払い
昔、災難が起こりやすい日、
厄日と云われた日
がいくかありました。
まず、立春、立夏、立秋、
立冬直前の 18日間を
さす土用という期間は
厄日でした。
また、二百十日、二百二十日も
同じで、災害が
起こりやすい日とされました。
そして、まもなく迎える
大晦日は、その年の厄を
払い清める日。
一年を締めくくる
最後の日
大晦日に厄を落としたのです。
そして明けて
迎えた新しい年に、
お餅を頂いた訳です。
正月は一年の初め、
一年の計は元旦にあり
と、昔からいわれてきました。
家族の安全と円満、
無病息災、学業の向上を
願って鏡餅を拝み、
鏡餅の分身である小餅を
入れた雑煮を
食べてそれを願ったのです。
ところでお正月に
お餅を食べるように
なったのは
いつからでしょうか?
それは、平安時代に
生まれた歯固めの儀という
儀式に由来するとされます。
この歯固めの儀とは、
正月の三が日に硬い食べ物を
食べて、長寿を願う儀式。
年齢の「齢」という
漢字には「歯」という
漢字が入っています。
昔の人は歯を丈夫にすれば、
長生きできると
考えていました。
そこで硬いものを
食べることで、
歯を丈夫にしようと
考えたのです。
実際に歯固めの儀には、
お餅以外に
大根、瓜、大豆、ごまめ、
イノシシの肉、干し柿など
硬い食べ物が出てきます。
また、もうひとつ、
お正月にお餅をいただく
理由は、ハレの日と
関係します。
ハレは非日常、ケは日常という
意味で…
ハレは晴れ着、
晴れ舞台などの言葉の
語源となっています。
昔の人は、ハレの日に
いつもと違う食べ物や
食器、服装などで
気持ちを新たに
していたのです。うです。
つまり、
ハレの日には普段食べないお餅、
赤飯、白米、
尾頭付きの魚などを
頂いたのです。
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最後にこんなお話…
昔はお正月の小さな餅を
年の魂、としだまとして
家族全員に配りました。
これがお年玉の
はじまりでした。