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江戸の珍商売

夏、暑い日が続くと、
一雨欲しいなぁ、と思ったりしますが、
最近の一雨は
“おしめり”ではなくちょっと異常で
いきなり大雨特別警報が
出るので要注意ですね。

ところで、暑い日が続くと
雨が欲しいと願ったのは
江戸時代の人々も同じだったようです、
 
江戸時代の珍商売のひとつに
作り雨屋」という仕事が
ありました。

「作り雨」といっても、
もちろん、現代のような
人工降雨技術などあるはずもなく、
夏の暑い盛りに呼ばれると、
その雇い主の家の屋根に上って
ジョウロで水をまくという
単純な仕事でした。

客の方は、その雨を観て、
夕立を体験した気分になり、
見た目、そして打ち水のような
いっときの清涼感を
味わったのです。
 
夏の日の夕立という風情に、
きちんと対価を
払うというのは、江戸ならではの
趣だったのかもしれません。

広重の最晩年の「名所江戸百景」

もうひとつ現代では考えられない
江戸の珍商売、それは「穴蔵屋」。

「穴蔵屋」とは、頼まれた家に赴き、
その家の庭に穴を掘る仕事。
さて、どうして庭に
穴を掘る必要があったのでしょうか?

ヒント!

それは、「火事と喧嘩は江戸の華」
という言葉に関係します。
 
穴蔵と呼ばれるは、
地下倉庫のこと。
つまり、蔵の代わりに穴を掘って、
そこに全財産を埋めて隠し、
火事から守るためだったのです。


これは財産である金銀を
商人が蓄えるために作られた
簡易倉庫で、
火事に強く、蔵を建てるよりも
安く建てられたため、
商人を中心に
需要がありました
 
江戸時代には
合計100回あまりの大火が起き、
2年から3年に一度、
町を焼き尽くしています。

「穴蔵屋」は、その対策として
生まれた商売でした。

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