別名は死人花、地獄花、幽霊花
今日は『彼岸の入り』です。
この時期に咲く彼岸花は、
一気に茎を伸ばし、突如として
色鮮やかな花を咲かせます。
そして花の季節を終え
季節が巡ると、その姿は
あっという間に消え、
土の中で休眠状態となり、
再び秋が近づくと
一気に咲くという
不思議な植物です。
農作物を守るための花
彼岸花は中国からの帰化植物で、
稲作の伝来とともに運び込まれた
土の中に球根が混入していて
広まったといわれています。
しかし一説に、混入ではなく
土に穴を掘って畑や田んぼを
荒らすネズミやモグラといった
小動物を避けるために
あえて持ち込み、
畦や土手に植えたものとも
考えられています。
実は、彼岸花の根のところには
リコリンという毒があって、
この毒は小動物を
近づけさせないという
効果があるのです。
遺体を守る役目も
また、この強い毒の効果を
生かして、その昔、
まだ土葬だった時代、
埋めた遺体が
狼やキツネなどの動物によって
荒らされないよう
墓の周りに植えたとも
云われています。
食べるのは危険
彼岸花はそんな有毒性が
活用されたほか、
もうひとつ、食べ物としても
利用されてきた過去が
ありました。
実は、彼岸花のリコリンという毒は
水溶性で、長時間水に曝せば
無害となるため
飢饉の時や、近年では
太平洋戦争時などの
戦時や非常時に
その球根は
食用とされたのでした。
しかし、あくまで有毒な
ものなので、真似して食べる
ということは絶対に
お辞め下さい。
怖い別名
飢餓の時代、別名が、
食べることで命を
無くす可能性が高いことから・・・
以下のような別名があります
親死ね子死ね花、捨て子花
死人花、地獄花、幽霊花など
いずも死に直結する別名が
あります。
不吉な名前が並びますが、
彼岸花には「曼珠沙華」という
別名もあります。
これは”天上の花”という意味で、
おめでたい事が起こる兆しに、
赤い花が天から
降ってくるという
仏教の経典から
付けられたものです。
最後、彼岸花の花言葉、
「悲しい思い出」、
「想うはあなた一人」、
「また会う日を楽しみに」
などがあります。