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“白衣の天使”の素顔

“白衣の天使”、“クリミアの天使”とも
呼ばれるフローレンス・ナイチンゲール。
彼女は、いったいどんな
女性だったのでしょうか?
 
彼女自身、天使について、
こんな言葉を残しています。
『天使とは美しい花を
まき散らす者ではなく、
苦悩する者のために戦う者のこと』
 
“戦う”という言葉が出てきましたが、
ナイチンゲールは私たちがイメージする
献身的でやさしく、博愛主義という
イメージだけではなく、
強く、決して挫けない女性でした。
 
クリミア戦争のときのことです。
負傷兵への扱いが
あまりに酷いという報道が
なされたとき、ロンドンの病院で
働いていた経験から
彼女はシスター24名、
職業看護婦14名の計38名の女性を
率いて看護師として従軍を決めます。

しかし赴任して、まず驚いたのは
極端に不足している医療品。

その悲惨な状況に彼女は苛立ちます。
当時のイギリス軍は、
官僚的な縦割り行政の弊害から
必要な物資が
すぐには供給されないという
状況下にありました。

必要最低限の包帯と消毒液すらない
状態にあって、ナイチンゲールは、
軍医長官ジョン・ホールに
倉庫の木箱に収められている
包帯と消毒液を出すように迫ります。
 
すると、ホールは薄笑いを
浮かべながらこう答えたそうです。
「ミス……軍の決まりを
ご存知ないようですな。
この箱は委員会の許可なしでは
開けられない。
そして委員会が次に開かれるのは
3週間後です」

それを聞いた瞬間、ナイチンゲールの怒りは
頂点に達し、
なんと拳で箱の蓋を叩き割ったのです。

そして、唖然としているホールに
こう言い放ちます。
「開いたじゃないの。持って行きますからね」

加えて、病院内の衣服・ベットの洗浄が
殆ど滞っていると聞き、
彼女は近くのボイラー付の家を
彼女の自費で購入
兵士たちの妻を雇って
洗濯させたのです。
諸費用も含めてこちらの費用も
彼女の個人資産で賄われています。

こうして清潔な衣類が
手に入れることで
死亡率を激減させたのでした。

不衛生な状況を改善することで、
兵士の死亡率は40%前後から
2%程度まで引き下げられたそうです。
 
さらに病院の便所掃除がどの部署の
管轄にもなっていないことに目をつけ、
便所掃除も始めます。


 
最後にナイチンゲールの名言を
『恐れを抱いた心では、
何と小さいことしかできないことでしょう』

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