お辞儀の歴史
人と出会った時や、別れをする際、
日本人は決まってお辞儀をします。
この日本人独特の挨拶
“お辞儀”の歴史は
いつから始まったのでしょうか?
西暦年100年代の弥生時代の終わり頃に
日本に来た古代の中国人は
「魏志倭人伝」にこんなことを記しています。
「倭人は目上の人に道で会うと
うずくまり、あるいはひざまづき、
両手を地につけて恭順の意を表す」。
これがお辞儀と思われる行為に
関して最も古い時代に
記されたものとされます。
それ以降、時代と共に、
お辞儀は次第に
現代に近づいていきます。
西暦604年、推古天皇は、
「宮廷の門の出入りには
両手を地に押し付け
両足でひざまずき
足をかがめながら進み、
敷居を越えてから立って歩くべし」と
命じています。
さらに西暦682年に天武天皇は、
お辞儀に関しての
新しくしかも大きな変化を
決まりとしました。
その令とは、それまでと大きく違い
「今後、古来の跪礼と、這う礼は廃止し、
立ったままの礼とする」と 命じたのです。
この新しい決まりによって
お辞儀は立ったままで
よいということに変化した訳です。
そして江戸になると
宮家や武士以外の一般庶民の間にも
お辞儀が定着します。
しかし、このお辞儀もまだ現代のものとは
微妙に違います。
どういうお辞儀かと言いますと、
庶民のお辞儀ですら両手を膝にけ付け、
また、腰だけではなく膝も曲げて
礼をするのが普通でした。
「お辞儀」という頭を垂れる行為は、
もともと急所である後頭部を
差し出す事に よって、
相手に対する敵意がないことを
示すことに由来するとされています。
お辞儀には立ったまま行う「立礼〔りつれい〕」、
座って行う「座礼〔ざれい〕」の 2種類あり
また礼の深さで分類すると
「最敬礼」「敬礼」「会釈」の3種類があります。
角度が、それぞれ45度、30度、15度の3種類となっています。